トップ > 特集・連載 > 高校生・大学生 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

高校生・大学生

増えるAO、推薦入試 予備校の対策講座が人気

人前で表現豊かに話す練習をする高校生たち=東京都世田谷区の早稲田塾で

写真

 書類や面接などで選考するAO(アドミッション・オフィス)入試や推薦入試で大学に入学する人が四割を超え、高校生の受験対策が変わりつつある。各地の予備校では、グループワークを通して「人間力」や「表現力」などを磨く受講生の姿も。一般入試ではなく、あえてAOや推薦入試を目指す理由って?

 この秋、名古屋市の女子高生(二年)が通い始めたのは、AOや推薦入試対策の講座を設ける「トフルゼミナール名古屋校」だ。志望しているのは国際系の学部がある難関大。全国大会出場や長期留学といった経歴はないものの、あえてAO入試に挑戦するという。

 重視したのが「受験までの過程」ときっぱり。「ただ知識を詰め込むより、それまでの積み重ねや意欲を見てもらえる入試を目指す方が、自分を成長させることができそう」と話す。

 AO入試では、その大学が求める学生像に沿って自分をアピールする必要がある。大学ごとに異なるが、一般には志望理由書や活動実績、面接、小論文などを総合的に評価して合否が決まる。

 国際系の学部では、英語資格が出願要件となっているため、二年生のうちに英検準一級やTOEFLのスコアを取得し、志望理由書の作成やディスカッション対策に力を注ぐ計画。冬休みには「世界へと視野を広げたい」と、発展途上国でのボランティア活動にも参加するつもりという。

 首都圏では大学受験を見据え、中学三年から対策に取り組む“つわもの”もいる。

 二十年ほど前から早稲田大や慶応大、国立大などに多くの合格者を輩出する「早稲田塾」に通う男子高生(二年)は「志望校が一般よりAOや推薦の定員を増やしているので、両方のチャンスを生かしたい。受験に向けていろいろな経験を積むには、早いうちから動くべきだと思った」と明かす。

 今月中旬に開かれた週一回のAO・推薦入試特別講座では、模試ならぬ「模擬出願」のために考えた志望理由書を基にグループワーク。昨夏には同塾が主催する香港での「未来発見プログラム」にも参加し、現地で家政婦として働く東南アジアからの出稼ぎ労働者に話を聞いた。「日本も人口減少の中でどう労働力を確保するかの課題がある。どうしたら解決できるかを考えるようになり、いつも歩く街の風景が違って見えるようになった」と手応えを語る。

◆国立大、3割に枠拡大へ

写真

 文部科学省によると、二〇一六年度にAOや推薦入試で私大に入学した人は半数を超える=グラフ。国立大学協会も二一年度までに三割に拡大する目標を掲げ、門戸が広がっている。

 「突出した実績がなくても挑戦する高校生が増えている」と話すのは難関大の入試事情に詳しい「AO義塾」の嶺井祐輝副社長。問い合わせが「年間約千件とここ数年で倍増している」といい、八月には首都圏以外の拠点校を大阪に開設。地方に教室を展開する塾と提携し、インターネット電話「スカイプ」での指導にも力を入れる。

 ただテストの点数で志望校への到達度が分かりやすい一般入試対策に比べて、「ゴールがどこにあるか分かりづらい入試」と嶺井副社長。「学力が足りないからと安易にAOを選ぶと正直苦戦する」と忠告する。

 先月に志望校の一つ、立命館大に合格したという名古屋市の男子高生(三年)は「志望理由書を三十〜四十回は書き直した」と苦笑する。「十八年間を振り返り、なぜその大学や学部で学びたいのかをとことん考えたことで、自分が社会で何をしたいのかも見つけることができた」と語った。

 (川合道子)

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索