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高校生・大学生

広がれアイラブ母校の輪 ホームカミングデー、卒業生ら招待

◆一体感高め寄付PRも

大阪大が名古屋で開いたホームカミングデー。在学生が部活動を報告=名古屋市中村区で

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 秋の大学といえば、学園祭。だが最近は、卒業生や在校生とその家族、地域の人々を大学が招くホームカミングデー(HCD)が多く開かれている。一部の私立大で長く開かれてきたが、十年ほど前から国立大でも。コンサートや懇親会などを企画し、年に一度、大学に帰ってきてもらい愛校心を育み、支援を呼び掛けている。

 十月下旬、名古屋大が名古屋市千種区のキャンパスで開いた十三回目のホームカミングデー。「孫二人が名大に入って、死ぬまでに一度は見たいと台風でも来た」。雨の中、愛知県刈谷市の伊藤禮(れい)子さん(76)は晴れやかな顔。全学の同窓生の集いでは名フィルコンサートも。近くに住み、昨年に引き続きリハーサルを楽しんだ会社員柳田修さん(48)は「普段あまり来られないのでノーベル賞の展示室も見て帰りたい」と話した。

 HCDはもともと海外で盛んで「日本では歴史のある大規模私立大が一九六〇年代から、学園祭企画や周年事業などの一環で同窓生が集う場を作り、HCDに発展したようだ」と大川一毅・岩手大教授(大学史)。

 国立大の場合は二〇〇四年の独立法人化がきっかけ。大学と卒業生との連携の強化を目指して全学的な同窓会を設け、HCDを開くようになってきたという。一三年の調査では国立、私立とも半数以上が実施しており「大学間競争の時代、各大学は教職員や学生、卒業生が一体となって総合力や特色を強化する必要がある。HCDは一体感を高め、大学を支える意識を呼び起こすのに有効」と語る。

 名大も法人化後にHCDをスタート。今年の事業費は千七百万円。見学ツアーや子ども向け教室など百の行事に約四千人が来た。渡辺芳人担当理事は「地域の方には学内の活動を知って誇りに思ってほしい。卒業生には母校の発展を見て関心を高めてもらい寄付もお願いできたら。大学の経営は大変で同窓生の支援なくして成り立たない」。

 来場者に配った資料の半数が寄付関係。名大グッズ売り場にいた水戸市の飯村理恵さん(47)は「広くていい環境。息子を入れて良かった。寄付はなかなかできないけれど…宝くじでも当たれば」。大学院を出た後、十年ぶりに来た愛知県蟹江町の教員石井賀洋子さん(54)は「建物がきれいになり驚いた。余裕ができたらかわいい後輩のために寄付したい」と話した。

ホームカミングデーでは名大グッズ売り場もにぎわった=名古屋市千種区の名古屋大で

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 “ホーム”を飛び出す例も。名古屋駅近くのホテルで九月、「大阪大学の集いin名古屋」が初めて開かれ、約三百人が集まった。HCDは春に阪大キャンパスで開くが、「出前ホームカミングデーとの位置付け。国立大は愛校心が育ちにくい。少子化の時代、阪大ファミリーの輪を広げたい」と担当職員。東京でも開き「阪大は遠い。よくぞ来てくれた」と好評という。

 西尾章治郎学長は、研究成果や部活動など大学の近況を伝え「後輩たちのために未来基金へのご協力を」と訴えた。卒業生の講演後の懇親会で、愛知県知立市の薬剤師冨岡友恵さん(55)は「名古屋であると知って来た。久しぶりに友達に会えた」と笑顔を見せた。

 HCDは愛校心を再確認するいい機会にもなるようだ。南山大(名古屋市)は、その歴史が最も長い大学の一つ。一九六四年に当時の理事長がキャンパスの移転を機に始め、その後、同窓会が運営を引き継いだ。

 家族向けの運動会を開いていた時期もあり、子連れも多く「卒業生の子や孫の入学が多く、HCDが一役買っているかもしれない」と事務局職員。うどんの出店や茶席など多くの卒業生がボランティアで関わる。同窓会副会長の秋山和久さん(55)は「憧れの大学で良い大学生活を送れたおかげで愛校心が育った。アイラブ南山の気持ちでHCDに携わっている」と話した。

(芦原千晶)

 

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