トップ > 特集・連載 > 高校生・大学生 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

高校生・大学生

憲法、ぐんと身近に 文化祭で斬新企画

「模擬国民投票」で一票を投じる生徒たち

写真

 日本国憲法が施行され、ことしで七十年。秋の文化祭では各地の高校生が憲法をテーマにした企画に挑んだ。「堅くて難しい」題材を、どうしたら身近に感じてもらうことができるか−。試行錯誤する姿を追った。

 九月下旬、同朋高校(名古屋市中村区)の文化祭で開かれたのは「もし高校生が憲法について考えたら」と題した企画だ。現行の憲法と二〇一二年に自民党が発表した改憲草案について学び、九条を改正するか否かの「模擬国民投票」を実施するという硬派な内容だが、会場は時折、参加者たちの笑いに包まれた。

 「自衛隊は憲法に明記されている。○か×か?」

 司会役の生徒が問題を提示すると、二人のプレゼンターが登場し、○と×のそれぞれの主張を展開した。

 ○側の女子生徒が「国家公務員なんだから当たり前でしょ」とさも当然のように言えば、×側の男子生徒は「いやいやいや、もし明記されていたら改憲の議論をする余地ないですから。そんな発言は、こ・ま・り・ま・す」と反論。まるでテレビで若者に人気のバラエティー番組を思わせる応酬に会場がドッと沸いた。

 主催したのは、文化祭実行委員会本部企画のメンバーら十三人。チーフの藤原太一さん(二年)は「憲法と聞くと堅くて難しいイメージがある。少しでも興味を持つきっかけにしてほしかった」と狙いを話した。

 準備に取り掛かったのは六月初め。ちょうどメディアが「憲法施行七十年」を取り上げていた影響もあり「軽い気持ちでテーマに選んでしまった」と遠松竜一さん(二年)。条文を読むと「『これ日本語!?』と思うほど意味が分からなくて大変でした」と振り返る。

 クイズの問題や解説を考えるために、本やインターネットで現行憲法と自民党の改憲草案について調べ、九条を比較。仮に改憲の場合はどんなメリットやデメリットがあるのか、専門家の講演会に足を運んだり、別の大学の政治学者を訪ねたりして「ひたすら疑問をぶつけてみた」という。

憲法に関するクイズをグループで話し合って解く参加者たち=いずれも名古屋市中村区の同朋高で

写真

 企画に携わるまでは「漠然と『改憲=戦争』でしょと思って、それ以上に考えようともしなかった」と稲垣龍雅(りゅうが)さん(二年)。憲法を改正するかを最終的に決める国民投票は来年、選挙と同じ十八歳以上が参加できるようになる。平和を守るにはどうすべきか。「もっと立場の違う人の意見を聞き、自分の考えを深めたい」と思っている。

 安城学園高校(愛知県安城市)でも、弁護士を招いてのシンポジウムや模擬国民投票を実施した。企画は生徒主体だが、憲法を「自分ごと」として考えてもらおうと教員らも協力。

 事前に全学年の社会科で憲法について学ぶ授業を設けたほか、若手教員が人気芸人風のキャリアウーマンになりきって投票を呼び掛けるCMを制作して、生徒たちの関心を集めた。

 文化祭前の期日前投票から出足は好調で、中には投票率100%を達成したクラスも。チーフの黒木胡音羽(このは)さん(一年)は、「みんなが投票に来てくれて感動した。これからも関心を持ち続け、本当に国民投票があったときも、自分で考えて判断できるように行動していきたい」と語った。

 (川合道子)

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索