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高校生・大学生

<スタッフが聞く> 探検家グランドスラム達成・南谷真鈴さんを取材

南谷真鈴さん

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 高校時代、スポンサー探しに奔走し、夢をかなえた人がいる。世界七大陸の最高峰と南極点、北極点の九つ全てに到達する「エクスプローラーズ・グランドスラム」を達成した南谷真鈴さん(20)だ。自分の「やりたい」を実現するにはどうしたら? 高校生スタッフが直撃した。

 四月に北極点に到達した瞬間の心境を尋ねると、予想外の答えが返ってきた。

 「実は数キロ手前で心のピークは過ぎ、次のプロジェクトのことを考えていたんです」。笑みがはじけた。

 登山を始めたのは、香港にいた中学生のとき。学校行事で登った山の景色に引きつけられた。

 一歳半から父親の仕事でアジアを転々。現地の学校の反日教育や両親の不仲で「日本人としてのアイデンティティーを失い、心の居場所がなかった」と話す。

 山を一歩一歩、登りながら自問自答し、「心の中のこんがらがったひも」が解けた。「山は一番の先生。私の居場所は『今いる場所だよ』と教え、自分を見つけさせてくれた」

 十三歳で訪れたネパールで、山の谷間から壮大なエベレストを目にした。「世界で一番高い山に登ったら、何が学べるだろう」

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 高校三年で帰国。毎日のように企業にメールを送り電話をかけ、スポンサーを探した。親からの資金援助はゼロだ。

 新聞社に送ったメールが道を開いた。「日本人最年少でのエベレスト登頂を目指しています。記事にしてくれませんか」。新聞を読んだ高齢女性が寄付を申し出た。「独りぼっちじゃない。一緒に夢に向かってくれる人が必ずいる」

 一番つらかったのが七大陸最高峰制覇の最後の山、北米のデナリへの登頂だった。風速六〇メートルの嵐に九日間襲われ、テントに缶詰めに。誰かが残したとみられる数年前のエネルギーバーをかじってしのいだ。

 「生きてこその冒険」。安全確保のベルトは一本でいい場所でも二本つける。登山中、志半ばで力尽きた遺体に出くわすこともある。「私たちが生きていることはマジック(魔法)のよう。だからこそやりたいことは精いっぱいやる」

 次なる挑戦は、海。ヨットで世界の港に立ち寄り、児童養護施設などで暮らす子どもたちの目標を実現させる力になりたいという。

 「夢をかなえるにはどうしたら?」と尋ねるスタッフに、「誰でも自分の心が向くものがあると思う。もっと心のコンパスに耳を傾けて」とアドバイスした。

 <みなみや・まりん> 1996年12月、川崎市生まれ。早稲田大政治経済学部在学中。高3だった2015年1月に南米のアコンカグア登頂に成功し、1年半でエベレストを含む世界7大陸の最高峰を制覇。今年4月に北極点に到達し、エクスプローラーズ・グランドスラムを達成。著書に「自分を超え続ける」(ダイヤモンド社)など。

◆スタッフの感想

南谷真鈴さん(左)にインタビューする高校生スタッフら=東京都港区で

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 坪井佑介(高3) 誰かが敷いたレールではなく、私も興味のある方向へ自分でレールを敷くような生き方をしたい。

 吉岡美咲(高3) 自分は「時間やお金がない」などという理由で将来の可能性を自ら狭めてしまっていると感じた。

 黒田桃花(高2) 一度きりの人生だからこそ、他の誰かには創り上げることのできない唯一無二の人生にしたい。

 三浦歩(高2) 南谷さんの話を聞き、私たちが普段生きていることは当たり前ではなく、奇跡の上にあると感じた。

 

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