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高校生・大学生

<スタッフが聞く> 映画「君の名は。」プロデューサー・川村元気さん

川村元気さん

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 あれもこれもやりたいのに、文系理系や大学選択を迫られる高校時代。決めなければと思いつつモヤモヤ…。高校生スタッフは、世界各地で大ヒット中の映画「君の名は。」を手掛けた映画プロデューサーで、小説家の川村元気さん(38)を取材。悩める高校生が受け止めたメッセージとは。

 −大学は文学部新聞学科を卒業。なぜ映画の道に?

 ドキュメンタリーを作りたくてジャーナリズムを学びました。でも僕が作るとどうも面白おかしくなるんですね。先生に「脚色は駄目」と言われましたが、その方が面白く伝えられるのにと。それでエンターテインメントの方に進みました。

 −小説はなぜ?

 映画を十本作ったところで、分かった気になり、このままだと面白い映画が作れなくなるなと思いました。そんなときに「小説という表現はどうでしょう」と提案があった。また一から勉強ですが、新人になれる場所ってすごく大事です。

 −初小説「世界から猫が消えたなら」では、自分の命と引き換えに、世界から電話などを次々と消した。

 失って初めて価値を知ると思うんです。僕は毎日、自分の葬式を想像します。泣いてくれるのは、たまにしか会わない友達かもしれない。想像することで大事なことの優先順位や、自分がどう生きたいかを常に確かめるようにしています。

 −映画と小説の両方を手掛けて見えたことは?

 小説は音楽が鳴らないんです。本当にしんどい。映画にとって音楽がいかに武器かを意識して作ったのが、「君の名は。」でした。

 −両方をやって自分が分からなくなることは?

 やっていることは変わりません。何を作るかというより何に気づくかということに力を入れているんです。三作目の小説「四月になれば彼女は」では恋愛感情を忘れた大人たちを描いたんですが、僕の周りで二十〜四十代が恋愛をしなくなっているのに気づいたことから始まりました。

 −高校生に思うことは?

川村さん3作目の小説「四月になれば彼女は」(文芸春秋)

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 自分は何をやりたいのかと悩むと思いますが、何かを決めることはそんなに偉いことじゃない。一見格好いいけど、これからいろんな選択肢ができて、もっといい道があればそっちに行った方がいい。決めたことを頑張るのも大事だけど、決め込むと息苦しい。大事なのは選択肢を増やすこと。僕は自分がやっていることを常に疑っていて期待も過信もない。もっと優柔不断でいいと思います。

 <かわむら・げんき> 1979年、横浜市生まれ。上智大卒業。「告白」「怒り」などの映画を製作。小説は昨年11月、3作目「四月になれば彼女は」(文芸春秋)を出版。

◆スタッフの感想

川村元気さん(右)に話を聞く高校生スタッフ=東京都千代田区で

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 榊原歌穂(高3) 教わったのは「考えることの大切さ」。日ごろから疑問や反論を持つことを怠らないようにしたい。

 飯沼菜緒(高2) 一つに決めなきゃと自分を縛り付けず、自分に素直に新しいことを吸収して成長したいと思った。

 砂澤祐太(高2) 大事なのは考えたり悩んだりして挑戦すること。やりたいことや生きている意味を見つけ出したい。

 田中万智(高2) 川村さんは高校時代の失恋も人生の糧にしていた。私も目の前のことにぶつかり、楽しみたい。

 

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