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高校生・大学生

<スタッフが聞く> LGBT支援団体に取材

LGBTの支援に取り組む久保勝さん(前列左)らに話を聞く高校生スタッフたち=中日新聞社で

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 「ホモ」や「オカマ」といった言葉に、きっと傷ついているクラスメートがいる。同性愛など性的少数者(LGBT)の友達が自分らしく生きられる社会にするにはどうしたら? 高校生スタッフは、LGBTの理解者「ALLY(アライ)」を増やそうと活動するメンバーに取材し、考えた。

◆誰もが「理解者」になれる

 協力してくれたのは、NPO法人申請中の「ASTA」代表理事、久保勝さん(22)=愛知教育大四年=ら五人。教育現場などでLGBTへの理解を深める授業を開いている。LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(体と心の性が一致しない人)ら性的少数者を指す。

 「自分の身近には『いない』と思っているかもしれないけど、実は『見えない』だけ」と久保さん。最近は東京都渋谷区のように同性パートナー条例を制定する動きもあるが、偏見や差別から自分のことを隠す人は少なくない。

 宝塚大・日高庸晴教授の調査によると、当事者の約六割が学校でいじめを受けた経験があるという。一昨年には、自分がゲイであることを同級生に暴露された大学院生が自殺した。久保さんはスタッフに「みんなは周りでこんなことが起きないと断言できますか?」と投げかけた。

 「周りに理解してくれる人がいたら、もっと楽に過ごせたのかな」と高校時代を振り返るのはメンバーの一人、渋谷伊吹さん(24)だ。女性として生まれたが、幼いころから自分を男性と認識している。

 高二のとき、女子同士のカップルができたと校内でうわさが広まった。手をつないで歩く二人の姿に、仲の良かった友達までもが「気持ち悪いよね」。自分のことは「隠さなきゃ」と思ったという。

 セーラー服は嫌で仕方なかったが、髪も伸ばして浮かないように気を付けた。困ったのが恋愛話だ。周りの友達に合わせ、男性と「義務感で」付き合ったと明かした。

 久保さんは当事者ではなく、LGBTを身近な存在と認めて味方になる「アライ」の立場だ。きっかけが、中学時代の同級生のカミングアウト(告白)。数年前にSNSを通じてゲイだと知った。

 「とてつもない罪悪感を抱いた」という。中学生のとき、本人を前に「ホモじゃね?」と話す友人と笑った。「あのとき、笑顔の裏にある本当の気持ちに気づけていたら」と、それまでの言動を見直した。

 理解が進まない理由に教育があると考え、教員を目指す学生にLGBTを知ってもらおうと学生団体「BALLoon」を立ち上げて勉強会などを開いてきた。今年三月には、その同級生の母親や当事者たちとASTAを設立。「自分はLGBTではなくても、別のことでは少数派かもしれない。誰もが誰かのアライになれる。一人一人の違いを認め、それを楽しめる社会にしたい」と語った。

 もし友達にLGBTだとカミングアウトされたら、何と声をかけるだろう。スタッフの疑問に「僕なら『ありがとう』と伝える」と久保さんはきっぱり。「だって、この人なら伝えても大丈夫と、信頼してくれている証拠だから」

◆スタッフの感想

 青木咲弥佳(高3) LGBTの正しい理解があれば、偏見なく、一人の人間として尊重する気持ちが生まれ、いじめも減ると思う。

 水谷文香(高3) 取材でLGBTの人がいるのは普通のことだと感じた。自分の周りにはいないと決め付けていたのが恥ずかしくなった。

 大矢裕花(高2) みんなが誰かのアライになれる。LGBTだけでなく、さまざまなアライが増えれば、誰もが生きやすい社会になる。

 酒井風(高2) 当事者は「いないのではなく見えないだけ」という言葉が印象的。知らぬ間に人を傷つけないよう発言に責任を持ちたい。

 

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