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高校生・大学生

<スタッフが聞く> リオ五輪で通訳・東京外大生を取材

鶴田知佳子教授(前列右から2番目)やリオ五輪で通訳ボランティアを経験した学生に話を聞く高校生スタッフ=東京都府中市の東京外国語大で

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 三年後の東京五輪・パラリンピックにボランティアとして参加したい高校生も多いのでは。高校生スタッフは、昨夏のブラジル・リオデジャネイロ大会で、通訳ボランティアとして活躍した東京外国語大(東京都府中市)の学生たちを取材した。四年に一度の舞台を支える苦労ややりがい、心構えとは。

◆共感し寄り添う力を

 スタッフの前に現れたのはボランティアユニホーム姿の学生三人と、担当の鶴田知佳子教授(通訳学)。東京外大は履修科目の一つとして、リオ五輪・パラリンピックへのスタディーツアーを企画。留学先から直接渡航した四人を含め、学生三十人が通訳ボランティアとして参加した。

 主な活動は、日本人選手が海外メディアのインタビューやドーピング検査などを受ける際に、英語から日本語、または日本語から英語へと通訳すること。メダルラッシュに沸いた水泳や体操、レスリング会場のほか、世界中の記者たちが集まるメインプレスセンターなどにも配属された。

 国際社会学部四年の池田康太さん(22)は、カヌー競技で日本人初の銅メダルを獲得した羽根田卓也選手=愛知県豊田市出身=を担当。決勝でメダルが確定した直後、海外メディアのインタビューに「自分がしてきたことが結果につながって良かった」と淡々とした口調ながらも喜ぶ羽根田選手の声を世界に届けた。

 カヌーの経験はなく、競技の盛んなスロバキア出身のボランティア仲間にルールを教わった。予選から関わるため「それまでのストーリーとともに選手の感情が伝わり、テレビとは違う興奮と感動を味わった」。

 日本人選手が表彰台を逃すと出番は減る。でも「ぼーっとしてはいられなかった」とパラリンピックに参加した言語文化学部二年の池田杏奈さん(20)。別の会場に移り、“仕事”を探したという。

 自転車競技では、どんな質問にも答えられるよう事前に英文で書かれた資料を読み込み、コースを実際に歩いて把握。「最終日に『あなたがいてくれて助かった』と日本チームのコーチからお礼を言われたことが一番うれしかった」

 通訳で人の役に立つには、「語学力があればいいというわけではありません」と鶴田教授。通訳の本質は人と人とのコミュニケーションを助けること。「その人に共感し、寄り添う姿勢が大切」と話す。

 自動翻訳機能の開発が進む昨今だが「人の気持ちは人にしか分からない」ときっぱり。真意を伝えるには「言葉の背景にある文化の違いを理解することが大事」と説いた。

 世界の人と出会えるのも魅力だ。プレスセンターで活動した国際社会学部二年の新山美紗子さん(20)が見せてくれたのは、色とりどりのピンバッジ。大会では各国の人々がピンバッジを交換するのが恒例で「多くの人とつながることができた」。同世代の中国人ボランティアと「東京大会での再会を約束した」と言う。

 四年に一度の祭典は「たくさんのボランティアによって支えられていると実感した」と学生たち。三年後、ボランティアの主力となる今の高校生に向け「会場内の案内や医療補助など自分の得意なことを生かせるボランティアもある。自由な時間のある学生にしかできないことにチャレンジして」とアドバイスした。

◆スタッフの感想

 榊原悠太(高3) 取材前、五輪は一握りの人が関わるものと思っていた。自分の能力を生かして携わりたい。

 真弓愛奈(高3) 多くのボランティアが大会を支える。楽しさを共有し、開催して良かったと思える東京大会にしたい。

 村井美月(高3) 勇気を出して踏み出せば、世界が広がる。3年後は多くの人を巻き込みボランティアに参加したい。

 林美里亜(高2) 自動翻訳機に多くの通訳を任せる一方、人は想像力を働かせて相手の気持ちを考えることが必要だ。

 

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