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滋賀・呼吸器事件 再審決定

届いた「無実」訴え350通

 無実の訴えに再審の重い扉が開かれた。滋賀県東近江市の湖東記念病院の「呼吸器外し事件」で、再審開始を認めた二十日の大阪高裁決定。殺人罪で十二年間服役した西山美香さん(37)は顔をほころばせ、支援者に何度も深く頭を下げた。服役中に両親に宛てた手紙は三百五十通以上。決定に弁護団は「検察側は特別抗告を断念して、速やかに再審公判を」と訴えた。

 午後二時、西山さんは一人で大阪高裁十階の書記官室に入った。差し出された文書の表紙には「本件について再審を開始する」という一文。待ちわびた再審開始の決定に、うれしさと安堵(あんど)の気持ちが一気に込み上げ、部屋を出て、廊下でうずくまって涙を流した。

 西山さんはロビーで待つ両親の手を握り「再審開始決定が出たよ」と伝えると、母の令子さん(67)は「これは夢か。いや、涙があったかい。ほんまや」とほっとした様子。父の輝男さん(75)は「やっとスタートラインや」と目を細めた。

 高裁の正門に集まった支援者にも再審開始決定が伝えられ、歓声が上がった。報道各社に心境を問われた西山さんは、しばらく言葉を詰まらせてから「とてもうれしい。弁護士や支援者の皆さん、両親のおかげです」。しぼりだすように答え、ボロボロと涙をこぼして喜びをかみしめた。

 西山さんは二〇〇四年七月に逮捕され、今年八月に懲役十二年の刑期を終えて出所した。支援者との集会だけでなく、同じく再審請求中の事件の勉強会などにも顔を出してきた。常に「ダメだったら」と不安がつきまとった。それでも、服役中から、自暴自棄になった時もずっと支え続けてくれた人たちのことを思い返し、自身を奮い立たせた。

 「十三年も両親に迷惑かけたから、とにかく親孝行して無罪判決をとって安心させたい」。大津市で開いた会見で笑顔を浮かべた。

 会見では、弁護団長の井戸謙一弁護士が、死亡した入院患者は自然死だったと指摘し「この事件に真の犯人はいない。美香さん本人や家族が一番の被害者。速やかに再審公判を開いてほしい」と西山さんの無罪を主張。西山さんも大きくうなずき、「無罪判決まで一緒に頑張る」と決意で締めくくった。

 

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