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青く、老いたい

第225回 定年はギターの調べ

 6月末に定年を迎え、あっという間に1ヵ月が過ぎました。

 時間がたてば何か実感がわいてくるのかもと思ったけれど、気分的にはまったく変わらない感じです。

 取材先も、社内の後輩たちも、今までと同様に接してくれるし、やっている仕事も同じ。数年先に完全リタイアするまでは、こんな日々が続いていく気がします。

 ただ、今までと違うのは、ギターを弾く時間が増えたことです。

弾き語りの猛練習がきっかけ

定年祝いの会で、弾き語りを披露(6月22日・名古屋市中区、ENCOREにて)

写真

 きっかけは、6月に定年祝いの会を企画してくれた幹事が、歌好きの私に「ステージで何か歌いますか?」と言ってくれて「じゃ、弾き語りで」と答えてしまったことでした。

 社内バンドも出る会だったので、カラオケじゃ恥ずかしいと見栄を張ってしまったわけですが、冷静に考えれば私のギターの腕はとても人前で聞かせられるものじゃない。

 それから本番までの1ヵ月あまり、さだまさしの「主人公」を猛練習しました。

 ひととおり弾けるようになっても、録音して聴いてみると自分のリズム感の悪さに赤面するばかり。声も十分に出ていない。今まで、気が向いたときに漫然と弾いているだけでは気づかなかった課題が、くっきりと見えてきました。一つ一つハードルを越えていくうち、いつのまにか譜面なしで演奏できるようになりました。当日は、細かな失敗はいくつかあったけれど、何とか大過なく本番を終えることができました。

 その後、7月に社外の仲間たちも持ち寄りパーティー形式の定年祝いの会を開いてくれて、そこでも「主人公」の弾き語りを披露しました。次は、ギターが置いてあるスナックで、フルートと合わせてみようかという話も出ています。

 持ち歌ができると、人前で歌いたくなるし、次の曲をマスターしたくなる。このところ、読書やDVD鑑賞の時間が減り、その分、左手の指先の皮が分厚くなってきました。

 たった一つの曲をマスターすることから、こんなふうに世界が広がるんだと実感しています。たぶん、多くのギター好きが子ども時代に経験したことを、60歳になってようやく気づいたわけです。早く体験していれば、今に至るギターコンプレックスは、相当に解消されたはずなのに…。

 いろいろな未熟さを再認識しつつ、好きな仕事を続けられること、趣味の時間を楽しめることをありがたく思う、定年後の日々です。

 

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