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歯科矯正の治療法 多様化 締め付け感軽減 最新器具 マウスピース型

 かみ合わせを直し、歯並びをきれいに整える歯科矯正。従来のワイヤを使う治療方法に加え、通院期間を短縮できる改良型、透明で目立たないマウスピース型など多様化している。一方、治療の失敗や高額請求などのトラブルも相次ぎ、専門家は事前に歯科医師の経験を確認するなど、慎重な選択を呼び掛けている。 (北村麻紀)

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 昭和大歯科病院(東京)院長の槙宏太郎医師=写真=によると、代表的な治療法は一つ一つの歯の表面にブラケットと呼ばれる金属などの器具を取り付け、一定期間ワイヤで力を加えることで徐々に歯並びを整えていく。

 この従来型だと抜歯をしないケースで矯正までに通常一年半〜二年ほど、抜歯があると二〜三年ほどかかる。最近導入された改良型=図(右)=は従来より弱いワイヤを装着し、あえて歯を動きやすくすることで歯の間の膜や毛細血管を完全につぶさずに生かす治療法。通院期間を半年ほど短縮でき、締め付け感も少ない。

 また、目立つ器具を避けたい患者向けに、透明で着脱可能なマウスピース型の「アライナー」=図(左)=もある。シリコン製で、金属アレルギーのある人も使える。ただ、ブラケットほど大きく歯を動かすことができないため、歯並びがひどい重症例には向かないという。槙医師は「万能な治療法はなく、患者の状態に応じて選び、提案する。最初はブラケット、ある程度歯並びが整ってからアライナーといった具合に複数の装置を併用することもある」と話す。

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 費用の目安は、抜歯なしで従来型のブラケットを使った場合、成人で約八十万円から、子どもは少なくとも三十万〜五十万円はかかるという。いずれも一部を除き、保険は適用されない。

医師選び 経験や専門、確認を 「説明と違う」トラブルも

 「後悔しない歯科矯正」(小学館101新書)の著者で、医療ジャーナリストの増田美加さんによると、トラブルも少なくない。「出っ歯を抜かずに直せる」と説明されたのに、悪化すると抜歯を提案されたり、長期通院で高額な治療費を払っているのに改善せず、質問にも答えなかったりしたケースもあったという。

 歯科医師ならば、専門外でも矯正歯科の看板を掲げられるため、増田さんは、「治療前におおよその費用や期間の目安を示す、顔と歯の写真やエックス線画像、模型などの資料を作製して説明するなど、ていねいな対応をしてくれるかどうかが確認のポイント」と話す。

 永久歯が生えそろう前に歯科医師の勧めで治療し、生えそろった後に再治療が必要となるケースも多い。日本歯科矯正専門医学会(JSO)は、上の前歯が出ている子ども(七〜十一歳)については「早期矯正治療を行わないことを強く推奨する」との指針を二〇一六年に作成した。

 槙医師は「不正咬合(こうごう)(受け口)や指しゃぶりによる歯並びの悪化など、早く治療を始めた方がいい例もあるが、『早ければ早いほどいい』ということはない。状況で判断する」。大人も含め、良い歯科医師を選ぶには「最初に『私と似た症例の治療データを見せて』と伝えて。経験豊富なら示せるはず」と話す。

 JSOや日本矯正歯科学会のホームページでは、Q&Aや、各団体が認めた専門医のリストを掲載している。

 

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