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冬の感染症防ぐ体づくり 食生活で免疫力アップ

 流行入りしているインフルエンザや風邪など冬に注意が必要な感染症。感染リスクを下げるにはワクチン接種や手洗い、うがいだけでなく、生活の中でウイルスに負けない体づくりをすることも大切だ。体を守る免疫の力を上げ、感染症予防につながる食材や食べ方を専門家に聞いた。 (小中寿美)

 ミカン 食後に1個

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 「体の免疫力が下がると感染症にかかってしまう。食事では免疫力が上がる食材を取り入れて」と話すのは管理栄養士で愛知学泉大(愛知県岡崎市)准教授の岡本康子さん。免疫力を上げる成分の代表格がビタミンC。免疫細胞の白血球を活性化させ、細胞同士のつながりを強める。野菜や果物に多く、冬の一押しは旬の温州ミカンという。

 体力の回復効果があるクエン酸も豊富で、一日に二〜三個は食べることを勧める。ポイントは一度に食べないこと。ビタミンCは多くの動物が体内で作り出せるが、人間は作れず、体内にためておくこともできない。「食後に一個ずつ食べるのがいい」と話す。

 ほかにも、イチゴやキウイ、パプリカなどにもビタミンCは多く含まれ、岡本さんは「ピーマンの肉詰めをパプリカに変えてみては。食感も柔らかくなり、おいしく食べられる」と提案する。

 岡本さんは植物の色素などに含まれる機能性成分(フィトケミカル)にも注目。植物が太陽の紫外線や雨風から身を守るために作り出した。例えば、カボチャやニンジン、ホウレンソウに含まれるプロビタミンAはβカロテンなどを含む。カロテンは人間の体内でビタミンAになり、皮膚や粘膜を強化するという。

オリゴ糖料理に活用

 免疫細胞が多く集まる腸内環境を整えることも大切。乳酸菌などの善玉菌を含む発酵食品のほか、岡本さんは善玉菌のえさとなり、増やす働きのあるオリゴ糖を取ることを勧める。糖質としてさまざまな食品にも含まれるが、市販のオリゴ糖もあり、砂糖の代わりに料理や飲料に使う方法を提案する。

 岡本さんは「一つの食材にこだわるのもよくない。一日の中でいろいろなものをバランス良く取り入れて」と話す。 

  呼吸器内科が専門で池袋大谷クリニック(東京)院長の大谷義夫さん(55)は「肺炎も含め、呼吸器感染症の予防にはビタミンDが有用。国内外で多くの研究結果が報告されている」と説明する。ビタミンDは日光に当たると体内で作られるが、日照時間の少ない冬は不足しやすいともいわれる。サケなどの魚類、キクラゲや干しシイタケといったキノコ類に多く含まれている。

水分補給 のどを守る

 大谷さんは「空気が乾燥すると、のどの粘膜が荒れ、病原菌を外へ出す働きが低下する。こまめな水分補給でのどを潤すことも重要」とアドバイスする。

研究進むインフル対策

緑茶、乳酸菌に注目

 インフルエンザ対策では、感染を防いだり、ウイルスの増殖を抑えたりする効果が期待される食材として緑茶や乳酸菌があり、飲料メーカーなどで研究が進められている。

 緑茶は、主要成分のカテキンに抗ウイルス効果があることが分かっており、緑茶を使ったうがいが有効とされる。伊藤園(東京)などが、二〇〇九〜一〇年に医療施設の職員約二百人を対象に実施した研究では、緑茶成分を含むカプセルを飲んだ人たちの感染率は、含まないカプセルを飲んだ人たちの三分の一ほど。うがいだけでなく、摂取した場合にも効果がある可能性を示した。

 キリン(東京)は、プラズマ乳酸菌が、免疫細胞の一つで感染防御の司令塔でもある樹状細胞を活性化させることを見つけた。同菌を含むヨーグルト飲料を飲んだ小中学生の感染率が低下したとの研究結果もある。

 

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