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医療

乳がん 自己検診が大切  

鏡でよく見て、指先で触診

「いつもと違う」を逃さず

 日本の女性の十一人に一人がかかるとされる乳がん。今年も漫画家のさくらももこさん=享年五十三=をはじめ、訃報や闘病のニュースが相次いだ。早期に発見して治療を受ければ助かる可能性が高いが、死亡者は年間一万四千人と増え続けている。定期検診に加え、合間の小さな異変にも気づけるよう、自己検診をして胸の状態を知っておくことが大切だ。 (小中寿美)

 名古屋市の女性会社員(54)は七年前、自己検診で左乳房にがんを見つけた。「右手の薬指にペンの先が当たるような感触があり、気持ち悪かった」。数カ月前に受けた定期検診のマンモグラフィー(乳腺エックス線撮影)で異常はなかったが、ステージ1の乳がんと判明。医師から「よく見つけた」と驚かれ、左乳房の部分切除で済んだ。経過観察中だが、転移や再発もなく、元気に過ごしている。

 自己検診を始めたのはがん発見の十数年前。定期検診で医師に勧められ、毎日、帰宅後にテレビを見ながら行うようになった。「気負わず、続けられた」

 乳腺科医で名古屋医療センターの森田孝子医師(56)によると、会社員のように定期検診の合間に本人が見つけるケースもあり「ぜひ習慣にしてほしい」と話す。

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 国は乳がん検診として四十歳以上の女性に二年に一度、マンモグラフィーを推奨。死亡率が下がることも証明されている。

 ただ、検診ですべてのがんが見つかるわけではない。乳がんの七割は進行が遅く、定期的に検診を受ければ早期に見つかる可能性が高い。だが、残り三割は急速に増殖するタイプで一年で数センチになるものもある。

 また、マンモグラフィーは乳腺もがんも白く映り、見分けるのが難しいときも。乳房を薄くのばして撮影するが、根元部分は映りにくく、そこにできたがんを見逃す可能性もある。超音波検査(エコー)を併用して発見率を上げる方法もあるが、有効性を検証中で、森田さんは「検診の合間に進行するリスクを自己検診でカバーできる」と話す。

 自己検診は、鏡で自分の乳房を見るとともに、指先で触診する=イラスト参照。森田さんによると、ポイントは「おわん形の乳腺をよく触り、自分の硬さを知っておくこと」。乳房は柔らかいイメージがあるが、脂肪の下にある乳腺は人によっては軟骨くらいの硬さがある。

 しこりとして現れないがんもあり、「『いつもの感じ』と違うところがないかを丁寧に調べて」と説明する。微妙な違いを指先の感覚でつかむため、衣服の上からではなく、素肌に触れて行うことも大切だ。

 排卵から生理にかけて乳房が張るため、月一回、生理後に行うのがよいともいわれているが、森田さんは「こだわらず、頻繁に触った方が自分の乳腺を把握できる」。入浴時に鏡で見る、就寝前に横になってから触るなど行いやすい方法で続けることを勧める。

 マンモグラフィーの読影医らを教育、認定しているNPO法人「日本乳がん検診精度管理中央機構」(名古屋市)は、自己検診を動画で紹介するDVD(千二百九十六円)を販売。自己検診の教室を開いている保健所や病院もある。

 

 

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