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女性に多い 関節リウマチ  痛み、だるさ 周囲は理解を

見えにくい症状…冊子で啓発

 全身の痛みやこわばり、倦怠(けんたい)感に悩まされる「関節リウマチ」。痛みやだるさから身支度や家事に時間がかかり、日常生活がスムーズに送れない場合が多い。発症の多くは30〜40代と若く、見た目で症状が分からないため「怠けている」と誤解されることが多い。周囲に理解を求める声が上がり、症状を伝えやすくする取り組みも始まった。(花井康子)

 東京都新宿区の主婦喜多山美代子さん(62)は三十年前から関節リウマチを患う。朝目覚めると体がこわばり、階段の上り下りがつらい。体が重く、起き上がれないこともあった。

 投薬治療を続け、現在は寛解(治癒はしていないが、症状が軽くなったりなくなったりしている状態)しているが、発症当初は症状が重く、幼稚園に息子を送ったり弁当を作って持たせたりすることができない日が続き、知人に任せたこともあった。

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 全身が痛く、専門医に関節リウマチと診断された。ただ、周囲には病気とは受け止められず「筋肉痛のようなもの」「若いのに情けない」などと言われることも。「周囲に痛みを訴えても困った顔をされるだけ。つらいと言ってはいけないような気持ちになった」と振り返る。妊娠や出産で症状が悪化する可能性があったため、第二子は諦めた。

 関節リウマチの発病原因は不明で、完全に治す治療方法も確立されていない。日や時間帯によって痛みの強度が違うなど症状が一定ではないため、「わがまま」「大げさ」などと誤解されることは多い。患者自身も症状をうまく言葉にできない場合もある。

 製薬会社・日本イーライリリー(神戸市)は三月、主な症状をまとめた小冊子「関節リウマチ Good DAYコミュニケーションブック」を発行。患者が自分から医師や家族へ症状を伝えやすくするため、痛みや倦怠感などの症状や心理状態などをイラストで紹介した。医療機関や患者会などに配布を続けている。

 冊子には、四百六十一人の患者が回答したアンケート結果を掲載。約七割が「社会生活全般に影響がある」と感じていた。「症状が出ると気がめいる」「家族や友人に迷惑をかけていると感じる」など心理面への影響度もグラフで表した。

 同社では、患者同士が話し合い、その場で症状を絵や文字で表すワークショップも二〇一七年から各地で開催。ほかの患者の声を聞き、絵で見ることで、自分で症状を理解し、痛みを伝えることの重要性に気付いてもらう狙いだ。

 日本リウマチ友の会会長の長谷川三枝子さん(77)は「家族や医療関係者らと見えない症状を分かり合う取り組みがもっと広がってほしい」と期待している。

 ◇ 

 閲覧は、小冊子名でインターネットで検索。

手の指の痛みなどサインに

 関節リウマチは関節が腫れ、左右対称に症状が現れることが多いのが特徴。国内の患者は七十万〜八十万人とされ、女性に多い。

 慶応大医学部リウマチ・膠原(こうげん)病内科講師の金子祐子さん(45)によると、患者の多くは初期に手の指の痛みやこわばりを感じ、その後痛みが全身に広がる。治療をしないと早いと一、二年で関節の中の軟骨や靱帯(じんたい)が破壊され、変形すると正常に動かすことができなくなってしまうという。

 ここ二十年で新薬や治療方法の開発が進んでいるが、途中で薬の効きが悪くなったり、症状が再び出てきたりすることもある。

 金子さんは「痛みや倦怠感は前向きに生きる気力を奪い、発症が家事や育児で忙しい時期と重なって気落ちする患者も多い。周囲の支えが必要だ」と病気への理解を訴えている。

 

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