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だるい…食欲ない… 秋バテかも 入浴、食事で体温めて

猛暑・冷房で消耗 体力づくりも重要

 記録的な猛暑となった夏が終わり、ようやく過ごしやすい季節となったが体がだるい、食欲がないといった不調を感じている人もいるのでは。こうした症状は、夏の疲れを引きずって起きる「秋バテ」かもしれない。猛暑で奪われてしまった体力を取り戻すにはどうしたらいいか。生活の中でできる対策を専門家に聞いた。(小中寿美)

 愛知県豊橋市の主婦(64)は夏からの不調が今も続く。夏の間はエアコンの効いた室内にいるようにしたが、外に出れば経験したことがないほど暑く、その温度差で体調を崩した。「足先は冷えているのに体は火照るような状態」。九月に入ってその症状は治まったものの、体のだるさが残り「夕方は座っているのもつらい」と話す。

 「夏バテに連続して秋バテを起こしている」とみるのは、総合内科専門医で東京有明医療大教授の川嶋朗(あきら)さん(60)。「体力がないと自律神経をうまく切り替えられない。猛暑で奪われた体力が今も戻っていないと考えられる」と話す。

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 川嶋さんによると、夏バテは、暑さに対応するため体温調節にエネルギーを使い、体力が落ちる。暑気あたりとも呼ばれ、以前は涼しくなれば回復したが、回復せず「バテたまま」の人が増えているという。

 健康に関する情報を発信する「ウーマンウェルネス研究会」(事務局東京)が昨年、二十〜五十代の男女約八百五十人を対象に行った調査では、秋に不調を感じる人は四割に達した。症状は、だるさが最も多く▽疲れが取れない▽首・肩の凝り▽頭痛▽集中力低下▽便秘・下痢−と続いた。

 秋バテの原因の一つが、夏場の冷房による冷え。室内で体が冷えると今度は熱をつくるためにエネルギーを使う。さらに冷たい飲み物を飲んだりすると体を内側から冷やす。「こうしてエネルギーを消耗していくと、もともと体力がない人は回復しづらくなる」と川嶋さん。猛暑の今年は屋外と室内の温度差が大きく、冷たい飲み物を飲む機会も増え、消耗が大きかった可能性がある。

 「夏は持ちこたえたのに秋になってバテる人も少なくない」。低気圧が通過する秋は気圧が下がって自律神経のバランスが崩れやすい。ぜんそくなど持病の症状が出てきたり、気分の落ち込みにつながったりすることもあるという。

 消耗が大きいと熱をつくりにくくなり、体が冷えた状態になる。秋バテだと感じたら「体を温めてエネルギーの消費を抑え、体力の回復を目指して」。入浴はぬるめがポイント。寝る直前でも湯冷めせず、体温がゆっくり下がるため寝付きも良くなる。末梢(まっしょう)血管を拡張して血流をよくする炭酸ガス入り入浴剤もお薦めだ。

 入浴以外でも、動脈が通る首や手首、足首、大きな筋肉があって血管の多い太もも、内臓に近い腰回りを温めるとよい。座ることが多いなら湯たんぽ、立ち仕事なら温熱シートが便利。食材は冬が旬のもの、寒冷地で育つもの、地中に伸びる根菜などが体を温める。

 「夏バテや秋バテの根本的な原因は運動不足」と川嶋さん。体の中で最も熱をつくるのは筋肉のため、筋力をつけることが重要だという。バテから回復して体が動かせるようになったら運動を始める。「『ちょっと嫌だな』と思う程度がちょうどいい。それでも負荷はかかり、少しずつ体力がつく」と話す。

 

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