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異色の医療検索サイト 直接取材で詳しい情報提供 かかりつけ医 探しやすく

 診療科や所在地などの条件から医療機関を探す検索サイト。数多くある中で異色の存在なのが、医療情報提供会社「ギミック」(東京)が運営する「ドクターズ・ファイル」だ。治療方針など詳しい情報を医師への直接取材で把握し、紹介している。患者にとってかかりつけ医を探す手掛かりになる一方で、クリニックにとっても、六月から規制の対象になった各医院のホームページの表現について、相談できる相手になっている。(小中寿美)

 クリニックを紹介する文面は、医師を志した理由や開業の経緯、治療に対する考え方や患者へのアドバイスなど幅広く、医師の人となりも記されている。どんな取材をしているのか。現場に同行させてもらった。

 行き先は愛知県一宮市のはしもと耳鼻咽喉科。ライターの伊藤成美さん(32)がカメラマン、営業担当者と訪れた。外観や待合室の雰囲気を見た後、橋本彩恵(さえ)院長(44)から話を聞く。「糖尿病が原因でめまいや鼻血が出ることも珍しくない」と橋本さん。お薬手帳を必ず確認し、経過の把握に努めていると説明した。

橋本彩恵院長(左)にインタビューするギミックのライター伊藤成美さん=愛知県一宮市のはしもと耳鼻咽喉科で

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 インタビューは一時間。サイトに掲載された記事には、患者が話しやすいように目を見ながら聞く橋本さんの人柄もにじみ出ていた。伊藤さんは「疑問や不安を持っている患者の立場で質問するよう心掛けている」と話す。

 ドクターズ・ファイルは二〇〇七年に都内のごく一部の地域でスタートした。「当時はまだホームページを持つ医療機関は少なかった」と編集長の牧綾子さん(43)。看板に掲げられているような基本情報だけでは、クリニックや医師が自分に合うかどうかは判断しづらい。患者に代わって医師に会い、情報を入手して届ける仕組みをつくり、対象を徐々に広げて一六年に東海地方へも進出。今は一都一府六県の医療機関について取材に基づいた情報を掲載している。

 名古屋市内の支社には、伊藤さんのほか二十人のライターが在籍。取材したクリニックは東海三県で千八百件に上る。本社では、クリニックの選択基準や受診満足度など患者対象の調査もたびたび行い、検索の条件に症状を加えるなどサイトの改善に生かしたり、調査結果をクリニック向けに提供したりしている。

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医療広告の規制にも対応

 ドクターズ・ファイルが他のサイトとひと味違うのは中身だけではない。紹介記事を広告と捉え、条件によっては有料としている点だ。医療機関のホームページ上に、このサイトへ移動するバナーを置くなどすると有料となる。

 このため、サイトを運営するギミックは、すべての医療情報について、厚生労働省の定める「医療広告ガイドライン」に沿って掲載するよう努めてきた。疑問が出るたびに行政に問い合わせ、ガイドブックを作って全社員で共有してきた。

 一方、医療機関のホームページはこれまで広告規制の対象外。美容医療のホームページを見て受診した患者のトラブルが相次いだことから、ホームページも広告とみなし、虚偽・誇大宣伝を禁止する改正医療法が六月に施行された。

 改正に合わせ、具体例=図=などを示したガイドラインの改訂版が策定されたが、「クリニックが内容を読み解き、ホームページが抵触していないか判断するのは難しい」と牧さん。各医療機関のホームページには「術前と術後の写真など、違反のケースは今も散見される」と言う。

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 ホームページづくりに手探り状態の医療機関にとって、相談相手となっているのがガイドラインを熟知しているギミックだ。厚労省は、相談窓口として保健所などを紹介しているが、ギミックには取引先の医療機関から問い合わせが相次いでいる。強みを生かし、ギミックは十月末から、これまで携わっていなかったホームページ作成も請け負う考えだ。

 

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