トップ > 特集・連載 > 医療 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

医療

病原菌 その場で検知 病院、空港、動物園…

名大新装置

 空気中を漂う病原菌を、あたかも見えるかのように感知できる画期的な検査装置を、名古屋大大学院工学研究科の馬場嘉信教授(59)と安井隆雄准教授(33)らの研究チームが開発した。七月にも名大病院で試作機の実証実験を始める。実用化されれば院内感染の防止が見込めるほか、新型インフルエンザやエボラ出血熱といった感染症の流行阻止や、空港などでの水際対策に力を発揮することが期待される。(坪井千隼)

 病原菌の検査は現在、患者の検体を専門機関に送り、培養して調べる。検査に数日から一週間程度かかり、結果が判明するころには感染が拡大していることも多い。チームが開発した装置は病院の空気や患者の呼気などをその場で測り、十分ほどで病原菌の種類や量を明らかにできるという。

 装置は、直径千ナノメートル(一ナノメートルは百万分の一ミリ)ほどの小さな穴から病原菌を取り込み、計測部分に入った際に生じる電流値のわずかな変動を分析して種類や量を測る。病原菌の電流変化は非常に小さく計測が困難だったものの、チームは「雑音」となる余分な電波の影響を取り除く技術を開発。実用化に道筋をつけた。

写真

 大きさが二百〜千ナノメートルほどの細菌類の種類や量を計測可能。今後は百ナノメートル前後のウイルスも計測できるよう開発を進める。実証実験では、病棟内の空気や患者の呼気などから病原菌を計測する予定だ。

 重篤な感染症の拡大をどうくい止めるかは世界的な課題だ。二〇一四年には、治療法の確立していないエボラ出血熱が西アフリカで猛威を振るい一万人以上が死亡。国内でも今年、愛知県内などで「はしか」の感染が拡大した。一六〜一七年には、東山動植物園(名古屋市)など各地で鳥インフルエンザに感染した鳥類が見つかり、問題になった。

 チームの開発したセンサーは幅三十五センチ、高さ二十センチと小型で持ち運び可能。どこにでも簡単に設置できる。馬場教授は「実用化され普及すれば、インフルエンザの流行やパンデミック(世界的大流行)を防ぐ鍵になるのではないか」と語る。

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索