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発達障害児の専門医を養成 信大医学部 学部内、来月から教室

全国初 地域支援ネット構築へ

 信州大医学部(松本市旭)は28日、発達障害児を専門的に診療する医師を養成する「子どものこころの発達医学教室」を学部内に開設すると発表した。発達障害児を診療できる医師が少ないため、専門知識を持つ医師を育てて各地の医療機関にバランスよく配置し、県内の診療体制を改善する。この医師らと教育や福祉の関係機関が連携し発達障害児を地域で支援するネットワークも構築する。

 同学部の本田秀夫教授(54)=精神科医、発達障害専攻=らが信大で会見。県からの委託事業で、医師の育成に加え、地域の支援体制整備まで担う事業は全国で初の試みという。

 開設は4月1日付。設置期間は5年間で、運営費は年間約1900万円。スタッフは本田教授を含め、同学部小児医学教室の教授ら10人。

 対象は医師になって6年目以上で、地域の医療機関などで働く小児科医ら。

 発達障害の診断や助言をする「県発達障がい診療医」、より専門性が高くて重度の症例を診療する「県発達障がい専門医」など県独自のカリキュラムを用意。講義や実習に参加してカリキュラムを修了し、試験などで一定の基準を満たせば県が認定する。

 「診療医」は5年で30人程度、「専門医」は5年で5人程度の育成を想定。また、この認定医と福祉や学校など、子どもを取り巻く各機関が参加する定例の連絡会議を、県内の10地域ごとに開催する。発達障害児に関する情報を各機関が共有し、切れ目なく支援する。

 本田教授によると、県内の中学生以下の発達障害児は、約3万人いると推定される。発達障害は薬で症状が軽くなることはあるが、完治はしない。早期発見と症状に合わせた個別のサポートが重要で、診療では親への助言や本人へのカウンセリングが行われる。

 一方、県内で発達障害児を診療できる医師は20人弱。入院治療が必要な重度の子を診療できる医師は10人に満たない。常勤医2人の信大でも初診は10カ月待ちの状況という。

 本田教授は「医師が増えて連携がうまくいけば、理解が深まり、発達障害児が生活しやすくなる。偏見をなくすことにもつながる」と話した。(中津芳子)

 

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