トップ > 特集・連載 > 医療 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

医療

強制不妊 違憲性を否定 優生思想肯定 旧厚生省、通知で励行

 旧優生保護法(1948〜96年)下で障害者らへの不妊手術が繰り返された問題で、旧厚生省が49年の都道府県宛ての通知で、本人同意のない手術に関し、「不良な子孫の出生防止」という公益上の目的があり、医師の判断も前提としているとして「憲法の精神に背くものではない」との見解を示していたことが28日、分かった。国として優生思想を肯定し、違憲性はないとの認識の下で強制手術を励行していた状況がうかがえる。

 今の政府は「障害者白書」などで障害者基本法の理念に基づき、優生思想につながる差別や偏見を否定しているが、旧法下での不妊手術の問題では謝罪や補償に応じていない。国会議員らの間でも救済を模索する動きが広がる中、今後の対応が注目される。

 旧厚生省通知は49年10月24日、公衆衛生局長名で都道府県知事に宛てたもの。本人同意がない事案で、都道府県の優生保護審査会による手術容認の決定が確定した場合などに関し、旧法の規定を踏まえて「本人が拒否しても手術を強行できる」との解釈を示している。

 この点に関し「基本的人権の制限を伴うものである」と言及。一方で(1)旧法に「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」と公益上の目的が掲げられている(2)医師が「公益上必要」と認めることを前提としている−点を理由として「決して憲法の精神に背くものではない(憲法第13条参照)」と明記している。

 この通知に先立つ49年10月11日、旧法務府(現法務省)が、旧厚生省からの問い合わせに対し、強制手術に違憲性はないとの見解を文書で示していたことも既に明らかになっている。

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索