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医人伝

聖隷浜松病院(浜松市中区)婦人科医 小林光沙さん(35) ロボット操り精密手術

ダビンチの勉強会で参加者の質問に答える小林光紗さん

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 「手術したことを忘れてしまうくらい元気です」。そう、患者に言われたことが何よりもうれしい。

 手術支援ロボット「ダビンチ」を使い、子宮筋腫などの女性患者の子宮を摘出する手術のメイン担当者。ロボットの精密な動きで手術の傷や出血量を少なくすることができ、患者の回復も早いため、積極的に治療に取り入れている。静岡県の中核病院の一つ聖隷浜松病院で、ここ半年で行ったダビンチによる子宮全摘手術全十二症例のうち八症例を手掛けた。

 はさみ状の鉗子(かんし)やメス、カメラが付いた四本のアームを長さ数センチの切創から入れ、映像を見ながらコントローラーで操作する。「(人の手で直接行う手術に比べ)触感がないため、どれくらいの力加減で作業をしているのかが分かりづらい」。少しでも手術時間を短くしようと、現在は、カメラと鉗子を素早く切り替える技術の習得が目標。より患者の負担が少ない手術を目指し、日々研さんする。

 石川県加賀市出身で、高校生のころ「未知の世界に興味が湧いた」と医師を志願。金沢大医学部に入り、「出産から老年期まで、幅広く接することができ、一人一人にしっかり向き合えそうだと思った」と婦人科医の道を選んだ。

 二〇〇九年に初めて赴任した愛知県豊橋市の同市民病院でダビンチに出合った。同院では子宮頸(けい)がん患者の子宮全摘手術を同県内で早くから実施するなど先進的な医療に力を入れており、「興味があった」。開発メーカーの認定資格を一五年に取得し、翌年七月、同じ婦人科医の夫が働く聖隷浜松病院に移った。

 カメラの映像による操作や組織の切断の手順などでダビンチ手術と類似点が多く、患者の負担が少ない腹腔(ふくくう)鏡手術の認定医の資格も昨年取得。一月下旬に同院で開かれたダビンチの勉強会には地域の開業医にも参加してもらい、これまでの取り組みを紹介。地域の人たちも知ってもらい、患者を受け入れるための普及啓発にも力を入れる。

 一方、子宮頸がんや卵巣がんなどのたくさんの患者と接する中で、「もっと早く病院に来てくれたら助けられたのに」と悔しい思いをする経験も少なくない。「まさか、がんにはならないだろうという若い人も、がんになる。必ず定期的に必要な検診を受けてほしい」と呼び掛ける。 (鎌倉優太)

 

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