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医人伝

愛知医科大(愛知県長久手市)講師 谷口千枝さん(42)

禁煙ノウハウ教える

 日本禁煙学会認定の専門指導者で、専任看護師として禁煙外来で禁煙に挑む患者を支えてきた。かつては自身も喫煙者で、禁煙の難しさを身をもって知っている。海外の禁煙指導法を学び、今はノウハウを看護師や看護学生らに指導している。「喫煙の習慣は簡単には変えられない。それでもたばこをやめたいと頑張る患者さんの人生を変えるお手伝いをしたい」と語る。

 愛知県田原市の出身。小学生のころ、体調を崩して入退院を繰り返す祖母のため、母や三人の姉妹と病院に通った。幼い姉妹だけで祖母に付き添うことも。「よく頑張ってるね」。優しく声をかけてくれる看護師に憧れた。

「患者さんの人生を変えるお手伝いができる」と禁煙指導のやりがいを語る谷口千枝さん

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 日赤愛知短大の看護学部を卒業し、総合病院に四年間勤務。二人の子どもの出産を経て、二十八歳のときに国立病院機構名古屋医療センター(名古屋市中区)へ。当時は喫煙者。看護師長に「喫煙者の気持ちが分かるだろう」と言われ、禁煙外来を担当したのが転機となった。

 たばこをやめるつもりはなかったが「禁煙しようと頑張っている患者さんに申し訳ない気持ちが出てきた。成功して自信をみなぎらせる姿を見て、自分も挑戦しようと思った」。ほぼ二年がかりでたばこを断ち切った。

 禁煙外来では、医師の診察の後に看護師がカウンセリングする。初診は三十分、再診でも二十分。患者の話に耳を傾け、決して患者を否定しない。禁煙に失敗しても責めることなく、失敗を繰り返さない方法を考える。「なぜ禁煙したいのかを聞いて、目標を明確にしてもらう」。子どもが生まれる、病気になるなど理由はさまざま。禁煙のメリットを伝え、努力を褒めて励ました。

 これまで禁煙指導した人は二千人を超える。「禁煙は一人ではできない。本人と家族、私たち医療者がチームになってやろうと声をかける」。七年かけてたばこをやめた人、末期の肺がんで闘病しながら少しでも長く生きたいと禁煙に挑んだ人もいる。その人の生き方に関わる仕事でもあると感じている。

 セミナーなどでノウハウを教えることが増え、今は愛知医科大の教員として後進の育成に力を入れる。「禁煙外来は行きにくいと感じる人もいる。身近にいる看護師に気軽に相談できるように、すべての看護師が禁煙指導できるのが理想」と目標を語った。(河野紀子)

 

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