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医人伝

松田病院(浜松市)胃腸・肛門外科医師 相川佳子さん(39) 女性患者の緊張ほぐす

 便秘や痔(じ)など、排便に関するトラブルは誰にでも起こる。特に女性はホルモンの影響や出産をきっかけにこれらの症状が出やすいが、恥ずかしさから受診をためらう人は多い。女性医師が女性患者を診る肛門科の「女性専門外来」の担当として、患者の悩みに耳を傾ける。「長い間一人で抱え込んで、やっとの思いで病院に来てくれた人もいる。緊張させないように、和やかに接するよう心掛けている」と話す。

「患者さんの苦痛を和らげるお手伝いができたら」と話す相川佳子さん

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 東京都出身。幼いころから医療に関心があり、自然と医師を志した。群馬大医学部を卒業。診断から治療、その後のケアまで患者に寄り添うのが信条だ。消化器外科の道に入り、静岡県長泉町の県立静岡がんセンターなどに勤務。二〇一三年から、胃腸、肛門疾患を専門とする松田病院で診療にあたる。

 女性専門外来は週一回。診察室や待合室は男性とは別にして他の患者とは顔を合わせなくてもすむよう配慮している。患者は二十〜三十代の若い世代、もしくは七十代以上の高齢者が目立ち、初めて肛門科を訪れる人が多い。長い間ひどい便秘や痔に悩み、「どこにも行けなかった」と診察中に泣きだす人が何人もいたという。

 切れ痔やいぼ痔などのほか、便秘、排便コントロールができずに漏らす便失禁など、症状はさまざま。排便時の出血をきっかけに受診し、大腸内視鏡検査で大腸がんが見つかったケースも。大腸がんは、がんの中で女性の死者数が最も多い。排便時に出血してもただの痔と思って受診せず、がんの兆候を見逃す恐れもある。「五十歳以上が中心になるが、三十代でも大腸がんになる可能性はある。出血が続くなら、一度検査した方がいい」と早期受診を呼び掛ける。

 診察では、症状にじっくり耳を傾けた後に触診し、必要なら内視鏡検査を勧める。薬の処方のほか、生活指導にも力を入れる。例えば便秘の場合、一週間分の食事日誌をつけてもらい、栄養士が食物繊維の量を計算。食生活の見直しにつなげる。「硬すぎたり大きすぎたりする便が、痔を引き起こす要因となる。排便コントロールが大切で、バナナのような便が毎日するっと出るのが理想です」

 症状が改善していく患者を見るのがやりがいだ。「排便は毎日のことなので、生活に大きく影響する。一人で悩まず、症状が悪化する前に受診してほしい」と語った。(河野紀子)

 

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