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医人伝

関谷道晴さん 養南病院(岐阜県海津市)院長

気分障害の復職サポート

 うつ病やそううつ病など気分障害の治療に力を入れ、職場復帰支援プログラムに精力的に取り組む。「うつ病は再発しやすい。しっかりとした準備をして復職することが大切。社会の要請でもある」と力を込める。

 岐阜県大垣市出身。父親が精神科の医師で、養南病院を設立した。富山医科薬科大(現富山大医学部)を卒業し、「精神科のハードルを低くしたい」と精神科医に。父親の急死を受け、二〇〇三年に養南病院の理事長となり、一二年には院長に就いた。

「精神科医として人の人生に寄り添っていきたい」と話す関谷道晴さん

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 養南病院で診察を始めたころより気分障害で外来を訪れる患者が増えたと感じていた頃、全国の精神科病院が集まる研究会で支援プログラムを知った。一三年三月に養南病院でも始め、「職場に 戻ろう アシスト プログラム」の頭文字を取り「SMAP」と名付けた。

 「復職してもすぐに再発して休職してしまう人が少なくなかった。企業も診断書を信頼していないようで、何とか流れを変えたかった」。復職の評価基準が曖昧で、準備も不十分なことが要因にあったと分析し「より百パーセントに近い状況で復職しなければ企業の対応が難しくなる」と導入の思いを語る。

 プログラムは、薬と休養で十分に回復した復職希望者に通院で参加してもらう。月曜から土曜日まで、水曜休みをはさんで週五日、一日六時間で行う。職場と同じ生活リズムにするためだ。二十人ほどでグループワークや座学に取り組み、人との接し方や協調性、再びストレスにさらされた時の対処の仕方を学ぶ。看護師や作業療法士ら七人の専従スタッフが担当する。

 「復職までの期間は人それぞれで焦らないことが重要。患者の話を聞くだけでは分からないことがあるが、評価基準を数値化してチームで判断できる」と強調する。一七年三月までに百四十八人が参加、約70%が復職や新たな職場に就職を果たした。

 今年一月からは、発達障害支援プログラムも始めた。気分障害の患者に人とのコミュニケーションが苦手な発達障害の傾向のある人がいるためだ。「社会人になってから傾向に気付く人が多い。まずは、自分の特性を知るところから始めている」

 地域に開かれた活動も。夏祭りを催し、自らステージに立ってスタッフとダンスや歌を披露することも。「人の人生に寄り添うことができるのが精神科医。プレッシャーにもなるが、やりがいになる」(生田貴士)

 

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