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ほっトライン(教育相談)

少食の娘、給食が苦痛に 尾木直樹さんが答えます

 【Q】小三の娘は、普段から少食でゆっくり食べます。給食を残すこともしばしば。三年生になり、給食を減らすことも残すことも許されなくなりました。牛乳とお茶で無理にのみ込んでいるようで給食が苦痛になっている様子。夏休みには担任から、家で三十分以内に夕食を取る宿題を出されました。給食を楽しい時間にさせたいのですが。 (女性、44歳)

 【A】給食を残すことも減らすことも認められず、担任にしかられないよう焦って完食を目指す…これでは拷問ですね。

 給食指導のあり方は、ケース・バイ・ケースでの判断になりますが、「減食」も「残食」も許されないこうした「強制給食」は「肉体的」「精神的」苦痛を明確に与えており、体罰に当たるでしょう。「楽しく食事をする」給食のねらいにも反します。

 このような異様な「完食指導」は、数十年前の管理教育全盛の日本の学校では一般的な光景でした。しかし、食生活を取り巻く環境の変化や食生活の乱れが指摘され、学校での給食指導も食育の観点から改革が進みました。二〇〇六年策定の食育推進基本計画で栄養教諭が各学校の指導体制の要として食育を推進することが明記され、配置が進んでいますが、日々の給食指導は担任に委ねられています。

 本来、大人も子どもも食べる量は人それぞれ。同じ人でもその日の体調や精神状態で食事量は変わってきます。完食を目指すなら、せめて自分の食べる量を決める減食は認めてほしいもの。減食指導は、個への対応として一般的になりつつあるようですが、一斉主義で動く日本の学校では依然、完食という善意の目標の下、一人一人を大切にする視点が抜け落ちています。

 量の多い給食を短時間で食べる「練習」や夕食を三十分以内に食べる「宿題」に縛られる必要はありません。学校給食で制約を感じているからこそ、家庭ではのびのび楽しい食事を第一に、献立や雰囲気づくりを心掛けてください。同様に悩む子がいるかなど保護者で声を掛け合いクラスで話し合いたいですね。

      ◇

 教育評論家尾木直樹さん、養護教諭すぎむらなおみさん、高校教諭・野球日本U−18ヘッドコーチ大藤敏行さん、タレント春香クリスティーンさん、桜花学園大非常勤講師近藤日出夫さんが教育の相談に答えます。

 勉強や学校生活、友人関係などに関する子どもや保護者の相談・疑問、先生の悩みなどを、連絡先とともに郵便(〒460 8511 中日新聞教育報道部 ほっトライン宛て)か、ファクス、メールで送ってください。中日新聞のホームページでも「投稿・ご意見」の「教育相談」から投稿できます。

 

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