トップ > 特集・連載 > ほっトライン(教育相談) > 記事一覧 > 記事

ここから本文

ほっトライン(教育相談)

日本人の横並び意識なぜ? 尾木直樹さんが答えます

 【Q】私は中国からの留学生です。日本の大学は、ほぼ全員の学生が卒業前に内定を受けるために就職活動します。日本人は例えば留学したいとか、大学院に進みたいと思っても、他の学生が仕事を探したら、自分も早く仕事を探すという考えが多いのではないでしょうか。どうして周りの目を気にするのでしょうか。私は自分の進みたい道を選びたいと思いますが可能でしょうか。(男子大学生、20歳)

 【A】「どうして日本人はこんなに周りの目を気にするんですか?」。これは私が留学生から最もよく受ける質問の一つ。相談者さんの疑問と同じですね。「周りの目を気にする」横並びの文化は、島国でムラ社会が脈々と続く日本社会や日本人の最大の特徴です。

 さて、ご質問の就活に関してですが、日本では新卒時の就活が非常に重要かつ主流です。その背景には、日本企業に長らく現存する「終身雇用」制度があります。これは初めて就職した企業に定年退職するまで勤めるというスタイル。一昔前と比べると転職は珍しくなくなり中途採用も増えましたし、外資系の企業など終身雇用をとらない企業も増えてきていますが、採用人数の面でいっても、いまだ新卒時の採用がメインです。

 確かに、大学で一番大切な卒業論文の作成などを放り出したままでも一斉に就活をして、一斉に内定をもらい卒業。四月一日には、これまた一斉に就職していく姿は、海外からの留学生諸君からすると理解に苦しむようです。ですが、就活に関しては、先に述べたような日本独特の終身雇用制度や日本人・社会の文化といった背景もあることも述べておきたいと思います。

 「先生、どうして日本の学生は勉強しないのですか?」。講義が終わるやいなや、教壇のところにやって来ては、留学生にこう詰問されることも珍しくありません。「いやいや、この授業は最もよく勉強している一つだと思うよ」と私が切り返しても不満顔。学生参加を心掛け、授業アンケートでは九割以上の学生が満足と回答する私の講義であっても、学ぶ目的意識の高い彼らの目には日本の学生は「勉強しない」、つまり、学生一人一人の主体的参加度が弱く映るのでしょう。大学が就職への通過点・手段から生涯学習の場として位置付かないと、ますます世界から取り残されてしまうかもしれませんね。

 ご指摘ありがとう!

       ◇

 教育評論家尾木直樹さん、養護教諭すぎむらなおみさん、高校教諭・野球日本U−18ヘッドコーチ大藤敏行さん、タレント春香クリスティーンさん、桜花学園大非常勤講師近藤日出夫さんが教育の相談に答えます。

 勉強や学校生活、友人関係などに関する子どもや保護者の相談・疑問、先生の悩みなどを、連絡先とともに郵便(〒460 8511 中日新聞教育報道部 ほっトライン宛て)か、ファクス、メールで送ってください。中日新聞のホームページでも「投稿・ご意見」の「教育相談」から投稿できます。

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索