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岐阜市長選特集

各陣営、埋没を警戒 独自性訴えに腐心

 任期満了による岐阜市長選(来年一月二十一日告示、二十八日投開票)まで二カ月余り。元市議の森下満寿美氏(56)が十八日に出馬表明し、名乗りを上げたのは、過去最多に並ぶ六人になった。各陣営は埋没を警戒し、独自性アピールに腐心している。(岐阜市長選取材班)

 森下氏を擁立したのは、共産系の市民グループ「清潔で住みよい革新岐阜市政をつくる会」。森下氏は同グループで貧困問題に取り組む市民団体の幹部を務める。会見で、新市庁舎建設計画の見直しを訴える候補が複数出馬することに「私は見直した分のお金を、教育や福祉に振り分けると訴えていく」と独自性を強調した。

 グループは、同じく新市庁舎見直しを掲げる元銀行員の小森忠良氏(59)と、候補の一本化に向け、協議を進めてきた。結局、“大同団結”できず、協議は決裂。小森氏は「市民派として広く支援を求めていく」と、政党組織に頼らずに選挙戦に臨む考えを示した。

 一方、自民推薦を受ける製菓会社社長の中西謙司氏(56)は十八日、党市支部が市内で開いた会合に出席した。乱戦の構図に「地道にやっていくのみ」と意に介さない姿勢をみせる。「他の候補者にない中小企業経営の経験をPRしていく」と述べ、知名度アップを図る構えだ。

 先月の衆院選で、希望の党から公認が得られず、無所属で出馬して落選した前民進党県連副代表の吉田里江氏(51)は、同党の支援を受けずに出馬する意向。同党県連はこの日、拡大幹事会を開き、吉田氏の除名処分を正式に決めた。吉田氏は「衆院選で離党届を出した際、自分は役員を降りたという理解だった。受理されていないことも知らされていないのに裏切ったと言われるのは遺憾」と批判。候補乱立の様相には「市民の選択肢が多様性を持つので良いこと。市民党として戦っていくだけ」と述べた。

 前回選で惜敗した旧民主党元衆院議員の柴橋正直氏(38)は「まちの方向性が変わる選挙で、大きな渦になるのは当然」と冷静に受け止める。「四年間、岐阜市について誰よりも考えてきた真剣さを伝えたい」と、推薦が決まった連合岐阜を手始めに、幅広い支援を求めていく考えだ。

 ベンチャー企業社長の棚橋保之氏(37)は「市のブランドづくりのため、優先順位をつけた政策で他候補との違いを訴える」と話し、つじ立ちや企業訪問を引き続き行っていく。

 六人はいずれも新人で、無所属で出馬する意向。現職の細江茂光氏(69)=四期目=は引退を表明し、後継者を指名していない。

自民「一枚岩」になれるか 玉田市支部会長は結束強調

 過去最多と並ぶ六人の立候補予定者が出そろった岐阜市長選。“非自民”の候補者が分立する中、勝敗の行方を左右しそうなのが、過去の市長選で分裂選挙を繰り返してきた自民の動向だ。

 「正味二カ月。長いと思えば長い。短いと思えば短い。どれだけ火の玉になれるかや」

 自民党市支部会長の玉田和浩県議は十八日の会合後、記者団に危機感をあらわにした。告示日が約二カ月後に迫る中、市支部は所属する県議や市議、党員らに、党が推薦する中西謙司氏支援の呼び掛けを強めている。

 六人が出馬すれば、前市長の辞職を受けて行われた二〇〇二年の市長選以来。この時、自民県連は元県議の男性を推薦したが、党の県議、市議らの支持は複数候補に割れた。

 結果は民間出身の細江茂光氏が初当選し、現在まで続く市政の始まりとなった。分裂した市議会自民会派は後に統一したが、〇九年に学校法人立命館の誘致問題を巡って再び分裂。一〇年と一四年の市長選でも、支援する候補を一本化できなかった。

 市支部は今回、八月から候補者の選考委員会を開き、中西氏推薦が決まったのは十月に入ってから。玉田氏らは「一枚岩」の結束を強調するが、出遅れを指摘する声もある。

 自民市議の一人は「市長選は党が前面に出る選挙ではない。乱立したら組織力のある自民党が強いと考えてはいけない」と戒めた。

 

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