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陸自イラク派遣部隊の日報(詳報)

 防衛省が公表した日報で明らかになった陸上自衛隊イラク派遣部隊を巡る主な状況は次の通り。■■■は黒塗り。

2004年2月24日 「日本人を動揺させるために日本メディアへの攻撃を行う可能性は否定できない」との記述。

  05年3月14日 タリル空港の食堂に業者を装って自爆テロがあるとの情報。

       27日 陸自宿営地の跡に米・オーストラリア軍が進駐するとのうわさ。周辺住民に不安が広がる。

     5月 8日 陸自部隊が12月に撤退するとの報道に、市民から「成果はなかった」「復興支援は無理だと分かったので撤退する」との声。一方、「撤退したら困る」との声も。

     6月11日 サマワにある復興支援事業の看板に描かれた日の丸に黒スプレーによる落書きを発見。陸自の復興支援に不満を持つ者による腹いせの可能性。

       15日 サマワで走行中の陸自車両に激しい投石。数名が道路に飛び出してスピードを落とさせると、少年ら十数人が車両を攻撃。隊員に被害なし。一歩間違えば、人員に被害が及ぶ非常に危険な事案と記述。

       23日 陸自車両4台が走行中、3号車の右前部付近で爆発。後ろを走る4号車は土煙で視界を数秒遮られ、前方を走行している車が見えなくなった。3号車はフロントガラスにひびが入り、ミラーは割れて落下、車体には無数の傷。砲弾や地雷などの金属片による被害はなく、爆風で飛ばされた石が当たってできたものと推量される。部隊の活動開始の時間帯を狙われた可能性がある。群長は「予測していた範囲のことであるとはいえ、深刻に考える必要がある。指揮官は隊員のアフターケアを重視せよ」とミーティングで指導。

       25日 復興支援事業で修復した「友好道路」に設置された記念碑の銘板がはがされているのが見つかる。13日には落書きも確認されていた。

     7月 4日 5日にかけて宿営地に攻撃。群長が「昨夜からの飛翔(ひしょう)音、着弾音が確認された事案の対応には、■■■ことが重要である。■■■業務を実施せよ。また、■■■して業務を進めるようにせよ」。

     8月24日 隊員が日報に「サドル派とイラク・イスラム革命最高評議会とも公式には多国籍軍との戦闘は停止しているが、秘密の指示による戦闘の継続も考えられる」と記述。

       26日 ミーティングの「現地の治安状況等」確認の欄に「■■■上であり、極めて重大な影響を及ぼしかねない事案である。これまで、タリル周辺で起きた事象を掘り起こして、今回の事案の背景を解明せよ」と記載。このころ、サマワで2000人規模のデモが起きていた。

    10月10日 バグダッド派遣の隊員が日誌に「床屋で散髪すると、髪が変色し、抜け始めていた。医務室に問い合わせると『爆弾攻撃を受けた後、コンバットストレスのため、髪が抜けるなどの症状が出ている』と伝えられた」と記述。

       16日 脅威情報として「対戦車ロケット弾などを持ったサドル派民兵が13日、パトロールをしている日本隊に対して攻撃を実施」との記述。情報の正確性の評価は最下級とのただし書きも。

    11月 7日 夜間に宿営地で発射音および上空で飛翔音を確認。着弾地点は宿営地南西約1.5キロ。8日早朝、オーストラリア軍が捜索したが着弾は確認できず。群長は「われわれは、こういう環境にいることを再認識し、しっかり対応しなければならない」「夜間に事案が発生して、すぐに活動自粛するのはある意味で簡単だが、いったん自粛後に活動を再開するには、自ら課したハードルを高めてしまう結果となる。その時々に応じ、状況判断して活動することが重要だ」。

       14日 業務支援隊長が「イラク人雇用者に撤退に関する不適切な発言をしないように」と指示。

    12月 4日 養護施設竣工(しゅんこう)式の準備中に陸自車両が群衆と遭遇。車両に被害あり。

        7日 サマワの公共施設で爆発。付近でロケット弾の不発弾見つかる。市内では「日本隊を狙ったものだ」とのうわさも。

        8日 イラク派遣が1年再延長されることになり、群長は「閣議決定されたが、われわれは淡々と任務を実行するのみ」と指導。

       12日 宿営地でボンという発射音とともに飛翔音を確認。爆発音は確認されず。オーストラリア軍のレーダー情報によると、着弾地点は宿営地の南西約2キロ。発射予想地点に、ロケット弾発射に使われる部品を発見。

  06年1月17日 「イラク・イスラム軍」を名乗るグループが、ネット上で「サマワで日本軍の車両を爆弾で攻撃し、乗っていた4人を殺害した」との声明を公表。事実無根と判明。

       22日 この日の治安情勢報告によると、21日にサマワで英国軍と武装勢力との間で銃撃戦。サドル派事務所付近に英軍車両が停車したことなどに反感を持った民兵が射撃を始めたことがきっかけで戦闘が拡大。

     3月16日 バスラ駐在の隊員が日誌に「ポンという発射音とピューという飛翔音を聞いた。近いと思ったが、大げさに対応するのも自衛官として恥ずかしいから、悠然と歩いた。(内心、伏せようかなとも思った)」との文章を寄せる。

       29日 30日にかけ、サマワの公共施設に攻撃。負傷者なし。

     4月 2日 29日の攻撃で使用されたのは107ミリロケットの可能性が高いと判明。

       12日 バスラ駐在の隊員が日誌に「未明に爆発音でいつもより早く目が覚めた。2発とも基地内に着弾し、穴が開いていた。記念撮影する人までいる」と記述。

       17日 バスラ駐在の隊員が日誌に「バスラでもロケット弾攻撃を受け、脅威に対し敏感になっていると感じる。昨日、■■■が書かれたように『ドアの閉まる音(着弾音に似ている)』にも反応するようになる」。

       19日 サドル派民兵がロケット弾の整備を進めているもよう。自衛隊が使用するタリル空軍基地への進入路を通る飛行機が攻撃を受ける可能性が高いと分析。

     5月10日 バス車内から約20個のロケット弾用信管が入ったバッグを発見。車載簡易爆弾の脅威は引き続き存在すると考えるべきで、厳重警戒が必要との記述。

     6月20日 陸自撤収を発表。統合幕僚監部から撤収命令が出て、群長が撤収を説明。群長は「明日から新しい作戦が始まる。前例がないので柔軟性を持ってやっていかなければならない。明日からは『安全に帰国』を目標に、頭を切り替えて新しい作戦に臨むように」と指示。

     7月 7日 撤収開始。他国軍への攻撃を記したとみられる報告の中で「サマワ東方付近は一般的に治安が悪く、サドル派民兵過激派の勢力が犯行を実施する上での制約が比較的少ない。日本隊が標的となる可能性は否定できない」との記述。

 

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