トップ > 特集・連載 > 生活部記者の両親ダブル介護 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

生活部記者の両親ダブル介護

(46)介護保険負担限度額認定 ありがたいが煩雑手続き

一日を費やして作った書類は、返信用封筒に入れると厚さ1センチほどに。これを2人分作りました。プライバシーなどありません。父母の資産状況は丸裸です(一部画像処理)

写真

 文字が震える。だが、進行している自分の病を憂えている暇はない。大量の書類を、父(81)と母(82)の二人分急ぎそろえなければ、父母のいる病院の部屋代や食費が軽減されないのだ。

 「介護保険負担限度額認定」という、ありがたい制度がある。だが、認定期間は一年。毎年この時期に更新手続きの必要がある。そのたび資産状況を書面で報告せねばならないのだ。

 地元自治体から空き家の実家に「お願い」が届く。「認定期間は七月末で満了する。八月以降も利用する場合は申請が必要」という趣旨だ。申請書に添えて、父母が持っている通帳すべてのコピーも提出せよとある。「銀行名・口座名義人の分かる部分と、二カ月前までの残高が分かる部分のコピー。配偶者がいる場合は配偶者の通帳のコピーも必要」と注文は細かい。

 時間もない。自治体が発送したのは、その月の一日。十五日には締め切りだ。郵送の時間を考えると一週間程度で用意せよとの意味だ。空き家のわが家では、届いて三日後くらいに気付く。父母は商売の取引で、残高は少ないが、多数の金融機関に口座を作った。商売をたたんでだいぶ減らしたが、施設入居時に指定の銀行に口座を開くなど、夫婦で十数通は持っている。

 たまにコンビニでコピー機を前にまごまごしているお年寄りがいたら、通帳のコピーを取ろうとしている方かもしれない。

 認知症を発していたであろう母が、各種必要な手続きができなくなったことも、私が「介護転勤」を決めた一因だった。煩雑な手続きは、年寄りとその家族にとっては高い壁だ。

 (三浦耕喜)

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索