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生活部記者の両親ダブル介護

(42)消えた20万円 父母の携帯、放置したツケ

携帯電話を使わなくなってからも、基本料金はきっちり引き落とされていました。最後には解約手数料も(一部画像処理)

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 介護でお金は家族の愛にも勝る大事なものだ。なのに、父(81)の預金から二十万円余りが消えた。そのくらい…と言うなかれ。わが家においては二十万円あれば、父母のひと月の入院費をまかなえるのだ。「もっと早く動けば…」。通帳の明細を見てため息をつく。

 預金の「水漏れ」は知ってはいた。金の行き先も分かる。とある大手携帯電話会社である。父母は某社のファミリープランで携帯を使っていた。父を介護するつらさを、母が日に何度も私に訴えてきた携帯でもある。老老介護が崩壊し、二人とも施設や病院に入っても、父母は携帯を手放そうとしなかった。

 その携帯会社では父の施設では圏外に。母は認知症で操作できない。「持っていてもしょうがない」が、父も母も「ないと不安」と言う。「でも、使えなければ無意味です」という説明の無限ループに、疲れた私は「お守り代わりで本人が落ち着くなら…」と折れた。地方では支店も少ない都市銀行。そこの父名義の口座から引き落とされていた。残高も十分だと放置しておいた。

 以来三年近く。所用のついでに記帳して驚いた。百万円超の残高が八十万円少々に。ここ二年はほぼ同額が隔月、二カ月分まとめて引き落とされている。基本料金だけでも、積もれば山となる。

 論より証拠で父を説得。ただちに、携帯のショップを訪ねる。初めは「委任状にお父さまのサインを」と言っていたのが、二度目の時は「お母さまのサインも」。ショップを三度訪ね、ようやく解約にたどり着いた。最後は解約手数料一万円余りが引き落とされ、預金の水漏れはやんだ。

 (三浦耕喜)

 

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