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【電力・節電】防波壁18メートルでも疑問 浜岡原発の津波対策を検証
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)が停止したまま、夏が過ぎていく。このまま乗り切れば「脱原発」の機運はより高まる。中電は今月中にも、福島第1原発の事故を受けた「津波対策」工事に着手し、再来年以降の再開に執着心を見せる。福島の事故は「想定外」の怖さを思い知らせた。浜岡の津波対策を識者と検証した。 ◆強度は?中電は、もともと海側にある10〜15メートルの砂丘で「津波は防げる」との見解だった。福島の事故を受け、12メートル超の防波壁を新設すると公表。7月下旬に打ち出した追加対策では高さを18メートルに引き上げた。 福島を襲った津波が14、5メートルに達したことに合わせた。中電は18メートルの根拠を「さらに余裕を持たせた」と説明する。 砂丘も、すべての場所で12メートル以上となるよう、低い部分に盛り土をする。砂丘周辺に防波壁を建設しても堅固と言えるのか。 中電の計画は、砂丘の下にある岩盤に鉄筋コンクリートの基礎を打ち付ける。その基礎の上に建設する壁は厚さ2メートル。「小型船舶がぶつかっても、壊れない強度」という。
柴山知也・早稲田大教授(海岸工学)も「海岸では見たこともない構造体。津波で壊れることはないだろう」と強度を保証する。それでも「大丈夫かと言われると、言い切れない」。 浜岡周辺に吹き付ける強風で、砂が飛ばされ、砂丘がもろくなる恐れを指摘する。「津波にのまれ、砂丘が役に立たなくなる可能性がある。砂丘より海側にもう一つ防波壁を造るか、コンクリートで砂丘を護岸化した方が安心」と話す。 ◆津波増幅そもそも、福島にならった津波の高さの想定は妥当か。津波の高さと、津波が障害物にぶつかって、乗り越えようと押し上がる遡上(そじょう)高は、別であることも押さえておく必要がある。 中電は、東海地震が、東日本大震災と同じマグニチュード(M)9だったと仮定した場合、遡上高を「10メートル程度」と試算した。今回の震災を受け、従来より2メートルほど高くなっている。 というのも、これまで津波を起こさないとされてきた海溝沿いの浅い部分が、今回の震災では、津波を増幅させたことが分かってきたからだ。中電の想定も、この事実を試算に加えている。
震災後、津波の高さを以前から引き上げる専門家も続出。古村孝志・東京大教授(地震学)は、具体的な数字の公表に慎重だが、津波の高さは従来の試算の1・5〜2倍になった。名古屋大の川崎浩司准教授(海岸工学)の試算では、浜岡原発に押し寄せる高さは6〜7メートルとの結果が出た。 では遡上高はどうなのか。川崎准教授は「沿岸地形によって変わるが、だいたい津波の高さの2倍から4倍になる」と明かす。仮に4倍とすれば、いくら18メートルの防波壁でも、越える可能性が、ないわけではない。 中電は、遡上高を算出する基になっているはずの津波の高さを「遡上高とそれほど違わない」とだけ説明し、数字は公にしていない。遡上高の試算も現時点で国に報告する予定はないという。外部から、工事を検証するのは難しい。 PR情報
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