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中日春秋(朝刊コラム)

中日春秋

 「ごみ屋敷」が社会問題化し始めたのは、十年ほど前のことだ。家がごみでいっぱいになり道にまであふれる。悪臭や害虫の発生で、地域の環境問題になる

▼各自治体は「ごみ屋敷条例」をつくるなどして問題の解決を図ろうとしてきたが、これが厄介だ。周囲が「ごみ」だと言っても、持ち主が「ごみではない。財産だ」と言い張れば、片付けにくい。だから、条例では「ごみ」という言葉をあえて使わず「周辺の環境に支障を生ずる堆積物」といった表現で、円滑な処分を図ろうと工夫しているそうだ

▼さて、これは「ごみ」か「財産」か。原発から出る使用済み核燃料は、実に危険なごみである。だが原子力ムラの人々は「貴重な財産だ」と言い、再利用のために兆の単位の税金を使ってきた

▼しかし「堆積物」はたまる一方。既に燃料プールは七割余も埋まり、このまま原発の再稼働を進めれば、早ければあと三年でいっぱいになると言われる

▼そういう先のない状態なのに、国も関西電力も福井の大飯原発3、4号機を再稼働させようとし、県知事も同意した。滋賀県知事は「容認できない」と言い続けてきたのに、お隣の懸念の声は聞こえないらしい

▼「ごみ屋敷」は、健康や衛生の自己管理ができず、周囲からも孤立する「セルフネグレクト(自己放任)」の一つの現れという。原発も、そんな状況に陥っていないか。

 

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