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中日春秋(朝刊コラム)

中日春秋

 日本で販売された最も長い車の名は諸説あるが、バブル期に発売された、この車は最有力候補だろう。「日産パルサー3ドアハッチバック1500ミラノX1−Eトリプルビスカスフルオートフルタイム4WD」−。試しに声に出してみたが、息が続かぬ

▼車の特長や「売り」をあれやこれやと名前の中に詰めこんだ結果なのだろうが、これでは落語の「寿限無」。「もっと簡単にならないのか」という意見が当時の社内で出なかったのが不思議である

▼同じ日産自動車でも、こっちは絶対に口にしてはならぬ「簡単にならないか」である。同社が、国の規定に違反し、出荷前の新車検査を正規の検査員ではなく、無資格の従業員に任せていたことが、国土交通省の抜き打ち検査で発覚した

▼よく耳にする、CMが皮肉に聞こえる。法令軽視を「やっちゃえ、日産」、正規の検査を「ぶっちぎれ 技術の日産」だったとすれば、あまりにも情けない

▼大切な生命と未来を預ける車である。どこの家でも大金のかかる車を買うのは一大事。慎重に車を選び、納車日を待ちわび、新車のにおいに喜ぶ。安全性に問題はないというが、違法検査は日産を選んだ人への裏切りである

▼六万台が販売停止、最大で百万台規模の大量リコールの可能性があるという。代償は大きい。かつての同社CMをかみしめるべきだろう。「変わらなきゃ」

 

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