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社説

沖縄県知事選 地位協定を見直さねば

 十三日告示の沖縄県知事選の論点の一つは、日米地位協定の見直しだ。争点ではない。有力立候補者がそろって公約に掲げる。米軍輸送機オスプレイの本土配備も間近。広く問題を共有したい。

 米軍ヘリが大学構内に墜落しても警察、消防は立ち入り禁止。小学校校庭に窓を落下させても、翌月には同じ上空をヘリが飛ぶ−。

 故翁長雄志沖縄県知事は、こんな地元の状況を「憲法の上に日米地位協定がある」と指弾し、改定を強く主張してきた。

 知事選の最大の争点は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非だが、地位協定見直しは党派を超えた県民の切実な願いだ。選挙戦では、安倍政権の支援を受ける前宜野湾市長佐喜真淳氏、反政権側の前衆院議員玉城デニー氏の両有力候補者とも、翁長氏と同様の考えを訴えている。

 在日米軍の権限などを定めた地位協定が、国際的にもいかに不平等か。沖縄県はこれを探るため昨年度から諸外国の調査を始めた。

 初年度は、同じ第二次大戦敗戦国のドイツ、イタリアが対象。その結果報告は非常に興味深い。

 基地内の米兵の取り調べや事故機の差し押さえといった警察権が行使できない、米軍機は航空法に縛られずに飛び回るなど、米軍の活動には国内法が原則として適用されない日本に対し、両国では自国と同じ法規制を行っている。

 訓練は事前通告し承認を得ること、自治体職員らの基地内への立ち入りなども認めさせている。

 日米協定は一九六〇年の締結以来一度も改定がないが、独伊では冷戦後の九〇年代に大幅な改定や覚書締結で対等関係を確保した。

 「国際的な(協定)見直しを進めないと日米関係だけが奇異になってしまう」「米国の言うことを聞いているお友達は日本だけ」

 県の聞き取りに、イタリアのランベルト・ディーニ元首相はこう直言。問題が起きるたび「運用改善で対応」と、改定に及び腰できた日本政府を痛烈に皮肉った。

 背景には、日本国民の無関心さもある。

 沖縄県の調査結果を重視した全国知事会は七月、協定の抜本的見直しを求める提言を決議し、日米両政府に申し入れた。東京都の米軍横田基地では十月、沖縄などで不時着や墜落が相次ぐオスプレイの正式配備が始まり、本土上でも広く訓練が行われる見通しだ。

 協定見直しはもはや沖縄の問題ではない。選挙結果にかかわらず国民全体で取り組むべきである。

 

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