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社説

対北石油規制 中ロは抜け穴をふさげ

 六回目の核実験を強行した北朝鮮に対し、初めて石油の供給が規制される。軍事用の燃料が不足すれば、核とミサイル開発を遅らせる効果が望める。各国は制裁を着実に履行したい。

 国連安全保障理事会は新たな制裁決議案を全会一致で採択した。米国が主張した石油の全面禁輸は輸出の上限設定に後退したが、中国とロシアも賛成して、核実験から八日後という即決になった。

 北朝鮮への原油供給は過去一年間の実績を上限とし、現状維持とした。ガソリンなど石油精製品にも上限を設定した。米政府の試算だと、石油関連の供給は約三割削減される。

 北朝鮮は原油の多くを中国、石油製品の一部をロシアから輸入しているとみられる。自国に製油所を持ち、軍事部門への転用が明らかである以上、中ロは供給の上限を厳密に守らなければならない。陸路や水路で国境を越える密輸もあるといい、中ロ両国には厳しく監視して、制裁の抜け穴をふさぐよう強く求めたい。

 今後も核実験とミサイル発射を続けるのなら、次の段階では安保理決議による石油禁輸も具体化しよう。

 北朝鮮は四月ごろから百万トンを目標に石油備蓄を進めており(二日付本紙)、制限、禁輸になってもすぐに韓国に対し軍事行動を起こすなど「暴発」する恐れは少ないとみられる。だが、住民の暮らしは一層厳しくなり、経済発展が進まなければ、金正恩労働党委員長の求心力は次第に弱くなっていくだろう。

 制裁決議では、外貨資金源を断つ新たな内容が加わった。

 北朝鮮労働者の受け入れについて、加盟国は新規の就労を認めないようにした。ロシアに約三万人、中国に約二万人滞在するといわれ、中ロの対応がかぎになる。

 繊維製品の輸出は原則禁止となる。民生用に限り輸出入が認められていた石炭、鉄鉱石も、八月の安保理決議で禁輸とされた。友好関係にあった東南アジア諸国も輸入制限をしている。加盟国が制裁を履行すれば、核、ミサイル開発に必要な資金を確実に失うことになる。

 北朝鮮は制裁に反発しており、新たな挑発行動に踏み切る恐れがまた高まった。再び日本上空を通過する中距離弾道ミサイルを発射して飛距離延長を図る可能性があり、政府は米韓と連携して、事前探知と国民に適切な情報を提供する責務がある。

 

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