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社説

加計学園問題 徹底解明が国民の声だ

 「行政の歪(ゆが)み」をめぐる疑念は晴れるどころか、ますます深まったのではないか。学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画。徹底解明こそが、東京都議選の自民党大敗で示された「国民の声」だ。

 衆参両院の委員会で閉会中審査が行われ、参考人として出席した前川喜平前文部科学次官は、加計学園の獣医学部新設計画について「はじめから加計学園に決まるようなプロセスを進めてきたように見える」「背景に首相官邸の動きがあった」などと発言した。

 文部科学行政を担当する省庁で事務方のトップに立っていた元官僚の国会での証言だ。参考人としての発言だが、その意味は重い。

 学部新設の認可という公平・公正であるべき行政判断が、安倍晋三首相の意向を盾に歪められたか否か、が問題の核心である。

 文科省内で見つかった文書には「官邸の最高レベルが言っていること」「総理(大臣)の意向だと聞いている」などと、内閣府が早期の学部新設を働き掛けたとうかがえる記述があった。

 加計学園理事長は、首相が「腹心の友」と公言する人物である。権力の座にある者が、自らと親しい人物に便宜を図るようなことがあっては断じてならない。

 たとえ形式的には妥当な行政手続きを経ていたとしても、行政が歪められたと疑われても仕方がない状況だ。「李下(りか)に冠を正さず」である。首相は、権力の座にある者の慎みを忘れるべきではない。

 同省の大学設置・学校法人審議会は加計学園の獣医学部新設について八月末に認可・不認可を決めるという。しかし、このまま、学部新設を認可することがあれば、文部行政の歴史に汚点を残す。

 いったん認可を見送り、他の大学による獣医学部新設計画を含めて、学部新設や定員増の必要性、加計学園による新設計画の妥当性を検証し直すべきではないか。

 地方選とはいえ、東京都議選での自民党大敗は「加計問題」の真相解明に消極的な安倍政権に対する不信感の表れにほかならない。

 きのうの閉会中審査は外国訪問中の安倍首相抜きで行われたが、与党は首相も出席する閉会中審査の開催に応じるべきだ。その際、首相は先の記者会見での自らの約束を違(たが)えることなく、真摯(しんし)な説明に努めるべきである。

 野党側は憲法五三条に基づき、加計問題などの解明のために臨時国会召集も求めている。憲法規定は重い。政府は逃げることなく、速やかに召集すべきである。

 

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