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社説

天皇退位法案 女性宮家も論ぜねば

 天皇陛下の退位をめぐる特例法案を閣議決定した。今や皇族の減少化対策も図らねばならない。秋篠宮家の眞子さまの婚約準備が明らかになり、女性宮家の創設も今後の大きな課題となろう。

 陛下が退位なされば、一八一七年の光格(こうかく)天皇以来、約二百年ぶりとなる。終身在位制になった明治以降では初となる。また新たな元号の検討も本格化する。

 陛下の各地へのご訪問や被災地のお見舞い…。国事行為とは違い、象徴としての公的行為である。八十三歳のご年齢では、これからも公的行為を続けられることが困難となることを深く案ぜられた。それが昨年八月のお言葉であった。今回の特例法案は退位を認め、皇太子が即位をするための必要不可欠な手続きである。

 問題なのは、この法案が一代限りの特例法であることだ。皇室典範を根本的に改めるわけではない。天皇の高齢化は今後も続くわけで、果たしてこのようなやり方が適切であったかは疑問が残る。

 共同通信が四月に実施した世論調査では、「皇室典範改正で今後の天皇も退位可能にすべきだ」と答えたのが68%で、「特例法で一代に限って認めるべきだ」の25%を大幅に上回った。国民は退位の恒久制度化を望んでいることが鮮明に浮かび上がる。

 退位の特例法は国会では与野党のいわゆる対決法案ではない。だが、採決時での付帯決議に、皇族の減少対策の一環として「女性宮家」の創設を検討することを盛り込むかどうかが焦点となる。

 たしかに「女性宮家」は重大なテーマだ。現在、未婚の女性皇族は七人いるが、秋篠宮家の眞子さまの婚約に向けて準備が進んでいる。秋篠宮ご夫妻も公認しており、心から祝福したい。婚約し、ご結婚されれば皇籍を離れる。

 皇族減少を放置すれば、将来的に皇室の存続が危ぶまれる事態も予想せねばならない。それを背景に女性宮家創設が現実味を帯び、女性天皇、母方に天皇の血筋を引く女系天皇も語られる。

 だが、難しいのは歴史上で女性宮家が新たに作られた例がないことだ。皇位の男系継承を重視する保守層からは異論が極めて強い。

 共同通信の世論調査では女性天皇に賛成したのは86%。女性天皇と女系天皇のいずれにも賛成したのは59%だった。女性宮家創設には62%が賛成だった。皇統とは何か。時代に合う皇位継承があるのか、考えを深めたい。

 

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