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社説

北朝鮮核問題 米国は対話と圧力を

 北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止するためには武力行使も辞さない−。ティラーソン米国務長官は歴訪先の日中韓三カ国で強硬姿勢を見せた。それでも北朝鮮との対話を忘れてはならない。

 北朝鮮が早晩、米本土を核攻撃できる能力を身に付けるとの危機感を強めた米国では、強硬論がにわかに台頭した。

 一九九四年の米朝枠組み合意で首席代表を務めたガルーチ元国務次官補は「東京やソウル、サンフランシスコが破壊されるのを待つ必要はない」として、北朝鮮の攻撃が迫っていると判断すれば先制攻撃を仕掛けるべきだと主張する。

 こうした世論を受け、トランプ政権は北朝鮮政策の見直しを進めている。

 ティラーソン氏は歴訪先で「北朝鮮を非核化させようとした過去二十年間の努力は失敗に終わった」と認め「新しいアプローチが必要だ」と強調した。

 そのうえで、北朝鮮が非核化に動きださない限り、交渉には応じないとしたオバマ前政権の「戦略的忍耐」路線の「終了」を宣言。「軍事衝突は望まないが、われわれが対応を必要とするレベルまで北朝鮮が脅威をエスカレートさせれば、相応の措置を取る」と強く警告した。

 一方で、北朝鮮との対話については「北朝鮮が核兵器や大量破壊兵器を放棄して初めて可能になる」と否定した。だが、北朝鮮の変化を待つという点はオバマ路線と変わらない。

 冷戦時代の米ソ両国は、首脳間のホットラインのように意思疎通の手段を持っていた。

 ところが米朝間にはそんなパイプはない。このまま緊張が高まれば、双方が疑心暗鬼に陥って軍事衝突に突き進む危険が高まる。それを防ぐためにも対話が必要だ。

 米国の強硬姿勢は北朝鮮には大きな圧力となる。ただ、あくまでも平和的解決へ導くための圧力であるべきだ。

 米国が実際に軍事力に訴えた場合、日韓両国も北朝鮮の攻撃にさらされ、大きな被害を受ける危険がある。やみくもに武力行使に走らないよう米国には自制を求めたい。

 中国も国際社会と一層協調してこの問題に取り組んでほしい。

 中国は米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備に反対しているが、北朝鮮の暴走が間接的に自国の安全保障も脅かしていることを看過してもいられまい。

 

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