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社説

北ミサイル発射 監視と包囲さらに強く

 日米首脳会談の翌日に、北朝鮮が今年初のミサイル発射をした。軍拡路線に歯止めをかけるため、日米は政治の混乱が続く韓国にも働きかけて、外交と防衛の両面で連携を強める必要がある。

 中距離弾道ミサイル一発が約五百キロ飛行し日本海に落下。日本側の被害はなかったが、政府は外交ルートを通じ北朝鮮に抗議した。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の技術を応用して地上配備型に改良した新型であることを示唆し、「成功した」と主張した。韓国軍合同参謀本部は、ミサイルは固体燃料で移動式発射台を使ったと分析。技術が向上して、事前探知が難しく迅速に発射する態勢が整いつつあると、強い警戒感を示した。

 北朝鮮はトランプ新政権へのけん制を狙った。大量破壊兵器で武装し、米国と対等な立場で交渉して金正恩体制の保証を取り付けるのが、究極の目標だろう。

 日米首脳会談では、北朝鮮に対し核、ミサイル開発を放棄するよう要求した。マティス米国防長官が今月初め、韓国と日本を歴訪した。トランプ政権の発足直後に、朝鮮半島重視の姿勢を打ち出したことは歓迎したい。

 ただ、政権の外交、安全保障を担当する幹部クラスの人選はこれからだ。北朝鮮制裁をさらに強めるか、それとも対話を模索するのか、具体的な政策が動きだすのは今年下半期になるのではないか。

 日米韓は北朝鮮情報の交換など監視を強め、中国も加えて、核開発を止めるための包囲網をより強化すべきだ。

 中国には国連安全保障理事会の決議を順守し、北朝鮮の軍拡につながる物資や資金を遮断するよう求める。韓国は朴槿恵大統領が職務停止に追い込まれ「権力の空白」が続くが、政府は国民や経済界に冷静な対応を呼びかける「危機管理」を徹底するよう望む。

 日本政府は慰安婦問題を象徴する少女像について韓国政府の対応に抗議し、駐韓大使を一時帰国させ、既に一カ月が過ぎた。北朝鮮のミサイル発射をどれだけ正確に探知するか。日韓の防衛協力を深めるためにも、大使の復帰を考える時期に来ている。

 三月には定例の米韓合同軍事演習が実施され、反発する北朝鮮がさらにミサイルを発射する恐れがある。米韓は軍事力の差を誇示して挑発を抑え込みながらも、偶発的衝突が起きないように、演習には慎重を期す必要がある。

 

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