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ダウン症作家の絵、日本酒に 金虎酒造の2種ラベル

ダウン症の作家が描いたラベルを貼った新作の日本酒を差し出す水野善文さん=千種区で

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 全国新酒鑑評会で三年連続金賞を獲得した北区の蔵元「金虎酒造」が、今年の新作の日本酒二種類のラベルにダウン症の作家が描いた作品を採用し、限定販売している。七代目蔵元専務取締役水野善文さん(42)は、「ダウン症の人に対する負のイメージが変わるきっかけにつながればうれしい」と話している。

 新作は、同社のこれまでの商品とは異なるコンセプトや手法で生産するプロジェクト「キントラチャレンジタンク(KCT)」の二種。ラベルに使われた二作品は、荒々しく動くカラフルな線が所々で弾けているようなデザインと、もう一方は赤や、ピンク、黄色など暖色が優しく流れるイメージ。前者は酸味爽やかでドライな味わいの酒「KCT2019−a」に、後者はスイートな同bのラベルに採用した。「二種類のお酒の特徴を対比的に表現しているようで、一目で気に入った」と、水野さんは話す。

 次女(7つ)が、ダウン症。生まれたときはうまく子育てができるか不安があった。だが、幸せそうに育つわが子に、当初抱いた負のイメージに大きなギャップがあることに気づいた。「娘のために、世の中のギャップを埋めたい」。二〇一五年からはダウン症の人も日常を幸せに生きていることを伝えようと、一緒に名古屋城の周りを歩くイベント「名古屋城バディウォーク」を立ち上げるなど、理解を深める活動をしてきた。

 ダウン症作家による作品を、KCTのラベルに採用し始めたのは昨年度から。同ウォークを通して知り合ったダウン症の人たちによるアトリエ「アトリエ・エレマン・プレザン」(東京)に依頼し、選んだ。

 アトリエとの付き合いで、ダウン症の人には、描き方を矯正するより、自由に良いところを伸ばすように教えた方が才能ある作品が生まれると知った。「自分の尺度で子どもを測ってはいけない」。エゴを押しつけるのではなく、持っている才能を見つけ、伸ばす。それが子育てにも、今の社会にも大切なのではないかと感じるようになった。

 ダウン症の作家の作品は色彩調和が取れており、酒のラベルにして商品棚に並べたときに、独特な輝きを放つと話す水野さん。「単に『福祉』としてではなく、酒とコラボさせて、ダウン症の人が持つそれぞれの魅力を伝える。それが酒蔵を営む私の今の使命」と意気込む。

 「a」「b」は計四百本を製造し、市内の酒店で販売中。それぞれ七百二十ミリリットルで、千三百五十円(税込み)。(問)金虎酒造=052(981)3960

 (小沢慧一)

 

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