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銃ない社会、挿絵で願う 服部さん母の童話、甚目寺中生描く

物語をもとに、挿絵に使うイラストを描く生徒たち=あま市甚目寺中で

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 1992年に米国留学中の服部剛丈(よしひろ)さん=当時(16)=を銃撃事件で失った母美恵子さん(70)=名古屋市港区=が8日、あま市甚目寺中を訪れ、執筆中の童話「アリッサとヨシ」の挿絵の制作を生徒たちに頼んだ。「自由な気持ちで、明るい元気な絵を」。こう生徒に語り掛けた美恵子さんは、集まった作品から10点ほどを選び、米国での銃規制の実現を願う童話に添える。

 題名のヨシは剛丈さん、アリッサは米フロリダ州の高校で今年二月に起きた銃乱射事件で犠牲となった女子高校生。物語は二人が天国で出会い、銃規制運動に一緒に取り組むことを決意する内容だ。フロリダの事件から一年となる来年二月までに完成させるという。

 美恵子さんは一、二年生約四百人が集まった体育館で「ハロウィーンパーティーで家を間違え、家主に殺された」と語り、挿絵を依頼。その後、生徒らは色鉛筆などで物語を読んで浮かんだイメージを描いた。天国で二人が出会う場面を描いた二年の松浦心響(こだま)さん(14)は「将来、米国旅行をしてみたい。ただ銃は怖いので、規制を強化したほうがいいのでは」と話した。

生徒たちと一緒に、剛丈さんの事件を振り返る映像を見る美恵子さん(左)と政一さん=あま市甚目寺中で

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 美恵子さんは今夏、知人で、あま市人権擁護委員の近藤純子さん(47)に「挿絵を描いてくれる人を探したい」と相談。近藤さんが人権教育に力を入れている甚目寺中に持ち掛けたところ「銃問題を知る良い機会」と学校から快諾を得た。事前に生徒たちに物語を配り、挿絵のイメージを膨らませてもらった。

 夫の政一さん(71)らの助言を得ながら、日本語と英語で執筆を続ける美恵子さん。完成したら「物語になれば、みんなの記憶に残っていく。良かったね」と剛丈さんに伝えるつもりだ。

 (清水裕介)

 

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