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石巻の食文化を次代に 中部大教授らが料理本出版

「たべる つくる 石巻」を紹介する小川教授=春日井市の中部大で

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 東日本大震災の被災地、宮城県石巻市を食で支援しようと、中部大の小川宣子教授が共著で料理本「たべる つくる 石巻」(A5判95ページ、税別1000円)を出版した。豊かな海産物をはじめとする特産品や郷土料理を紹介し、伝統ある食文化の継承と地域復興の支援を目指している。

 震災当時、日本家政学会(事務局・東京都文京区)の副会長だった小川さん。学会員だった石巻専修大の坂田隆学長(現在は教授)らと、二〇一二年から石巻市で仮設住宅に避難している被災者の食生活の実態を調査した。現地で学会が開催する料理教室に参加する被災者や、ボランティア団体などの協力で避難所や仮設住宅で暮らす人に聞き取りを進めた。

 仮設住宅は、震災前に住んでいた地域とは関係なく入居していたために以前のような親しい近所付き合いがなくなったり、十分な調理器具や設備がないために餅をはじめとした行事食が作れなくなっていた。高齢化も拍車を掛け、石巻の食文化が消失の危機にあることが分かった。

 そこで、石巻の特産品や郷土料理の存続を支援しようと、一四年から本出版のための調査を開始。地元の人々と四年をかけて、特色ある食材を使った地元ならではの料理と作り方、地域に根付く伝統料理の調理方法を調査した。料理本は七人の共著で出版した。

 今回出した料理本「たべる つくる 石巻」は春夏版。来年三月ごろに秋冬版も刊行予定している。

 春夏版は、石巻で漁獲量の多いホヤの調理法やお勧めの食べ方、彼岸やお盆などに食べる「おくずかけ」という、とろみのついたしょうゆ味の汁物の作り方などを紹介。特産二十七品と特産品を生かした郷土料理やなじみの献立、意欲的な創作メニューなど三十二点を、写真やイラストと共に掲載した。外国人にも料理を作ってもらえるよう、中部大の歴史地理学科講師の佐々井真知さんが翻訳した英語レシピも添えた。

 小川さんは「本を通じて石巻の良さを伝えたい。長い時間がかかっても石巻にまた人が戻ってくるような支援を、食の視点からしていきたい」と話した。

 料理本は石巻市内の小学校などに千部配布した。一般向けは千部を用意した。(問)ヤマト屋書店中里店=0225(93)3323

 (高岡涼子)

 

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