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「湧水湿地」保全、担い手を 豊田でシンポ

ラムサール条約登録の経緯を説明する富田さん=豊田市東山町の豊田市自然観察の森で

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 地表がはがれ、湧き水で潤った土地に珍しい植物が自生する「湧水湿地」を学ぶシンポジウムが二日、豊田市東山町の市自然観察の森であった。同市の湿地は「東海丘陵湧水湿地群」としてラムサール条約に登録されており、現状を知って保護につなげようと市などが企画した。

 全国的な調査記録がない湧水湿地の独自調査に二〇一三年から取り組む、愛知学院大の富田啓介専任講師が講演。愛知県全域と岐阜県中・東濃、三重県北勢、長野県南信、静岡県西部に少なくとも千五百八十九カ所あるとの調査結果を発表した。

 富田さんが実地調査したこれらの湿地は平均千五十平方メートル程度の比較的小さな面積のものが多いが、絶滅危惧種のシラタマホシクサなど、希少な植物の宝庫になっている。

 富田さんは湧水湿地の上に太陽光発電設備が設置されてしまった例や宅地化などを例示し「湧水湿地が開発の犠牲になっている」と課題を紹介。「身近な湿地を学校での環境教育の題材として活用し、保全の担い手を募る必要性がある」と提案した。

 豊田市では、矢並、上高、恩真寺の三湿地、計二二・五ヘクタールが一二年にラムサール条約に登録された。いずれも原則非公開だが、矢並のみ、市が定期的に観察会や一般開放を実施している。

 シンポは一、二日に同会場で開かれていた日本湿地学会の全国大会に合わせて企画。富田さんのほか、研究者六人が湧水湿地で見られる珍しい昆虫や植物保護のためのガイドライン作りに関して報告。全国から約百人が参加した。

 (久野賢太郎)

 

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