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「物」が語る伊勢湾台風 名古屋市博物館で企画展

白水小の当時の児童が書いた作文や絵。被害の甚大さが伝わってくる=名古屋市瑞穂区の市博物館で

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 五千九十八人の死者・行方不明者を出した伊勢湾台風から来年で六十年を迎えるのを前に、関係資料の収集や調査を進めている名古屋市博物館は、市民が寄せた写真などを展示する企画「伊勢湾台風」を始めた。時の流れで当時を知る人は少なくなっていくが、被害や復興の記憶をとどめる写真や作文などの「物」で後世に災害の経験を伝えていきたい考えだ。十月二十一日まで。

 木材につかまって濁流を流されていく人、慌ただしく逃げようとする人−。百四十二人の子どもたちが犠牲となった白水小学校(名古屋市南区)で台風直後に当時の児童が描いた絵からは、被害の甚大さと恐ろしさが伝わってくる。

 伊勢湾台風は一九五九(昭和三十四)年九月二十六日夜に東海地方を襲った。上陸が名古屋港の満潮時と重なり、市内でも沿岸部を中心に大きな被害を受け、犠牲者は千八百人を超えた。

 館は白水小の児童たちが書いた作文千七百十九点を所蔵しており、企画では承諾を得られた一部を読むことができる。展示では市民が南区で撮影した珍しいカラー写真も公開。流木や畳が道の脇に積まれ、泥にまみれた道路を片付けようとしている様子や住宅地を木やがれきが埋め尽くしている状況が記録されている。

伊勢湾台風の被害を伝える写真などが飾られている館内=名古屋市瑞穂区の市博物館で

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 二百人近い従業員が犠牲になった「大同製鋼」(現・大同特殊鋼)が従業員の生活再建を支援する様子が分かる文書も展示した。鈴木雅学芸員は「東海地方では最近大きな災害が少なく、実感がないかもしれないが、身近な場所で大災害があったことを知ってもらいたい」と呼び掛けている。

 料金は一般三百円、高大学生二百円、中学生以下無料。休館日は毎週月曜日と第四火曜日。月曜日が祝日の場合は、その直後の平日を休館する。(問)市博物館=052(853)2655

 (中山梓)

 

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