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矢作川、繰り返す悲劇 池島に集中、近くに渦あり中央は急流

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 二十八日に豊田市池島町の矢作川で川遊びをしていた二人が流され、尊い命が奪われた。現場の矢作川池島公園では過去にも夏の行楽シーズンに水難事故が多発している。なぜ悲劇が繰り返されるのか。

 足助署によると、今回の事故を除き過去十五年間で、矢作川沿いで十六件の事故があった。うち七件が今回の現場付近に集中し、四人が亡くなっていた。七件はいずれも遊泳中の事故だった。

 現場の川は緩いカーブを描き、内側に砂地がある。署によると、手前は浅瀬に見えるが、すぐに二〜三メートルほどの深さになる。川の中央付近は流れが急に速くなることもあるという。

 公園内の飲食店「川の駅いけじま」の八十代の女性店員は危険を知るだけに「地元の人は矢作川には入らない。土日はキャンプや川遊びの客でにぎわうが、ほとんどが外国人や市外から」と心配そうな表情を浮かべた。近所に住む七十代の男性も「砂地からすぐ近くに大きな石があり、その手前で水が渦巻いている。矢作川を知らない人が入れば巻き込まれる」と話した。

 署では五年以上前から河川警戒班を設け、夏季の巡回を強化してきた。今年は七月二十一日から八月三十一日まで、毎日署員二人が矢作川や巴川、足助川といった管内の河川で行楽客に注意を呼び掛けている。

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 事故から一夜明けた二十九日は、矢作川の現場付近で重点的に活動し、前日の事故の情報を盛り込んだ新たなチラシを配った。バーベキューや川遊びを楽しんでいた大学生らには「飲酒したら川に入らないで」と注意喚起。長久手市から訪れた男子学生は「事故のことは見回りに来た警察から聞いた。安全には気を付けている」と話した。

 (生津千里)

◆県と豊田市、連携に限界

 池島公園内には「遊泳注意」「あぶない!」などと書かれた看板や掲示はあるが、川は遊泳禁止にはなっていない。愛知県と豊田市の立場の違いから抜本的な対策を打てておらず、今のところ遊泳禁止にする予定もないという。

 「河川には自由利用の原則がある」。河川管理者である県河川課の担当者は遊泳を軽々に禁止できない理由を説明した。「市町村や警察から要請があれば検討の余地はあるが、そもそも(禁止に向けて)どのようなプロセスを踏めばいいのか分からない」と内情を明かす。

 市は「越権行為となるため、県管理の河川について勝手に口出しできない」(担当者)という立場。昨年八月の死亡事故後、県と市で協議し、遊泳注意の看板を増設したというが、悲劇は繰り返された。行政の垣根を越えた対応が求められる。

 (久野賢太郎)

 

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