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あふれる平和への思い 元県教育長、安井さんが句集

句集を手に平和への思いを語る安井さん=長久手市の愛知総合看護福祉専門学校で

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 元県教育長で愛知総合看護福祉専門学校(長久手市)校長の安井俊夫さん(81)=名古屋市西区=が、平和を願って詠んだ「句集 平和とは いつよ今よ」を出版した。中日新聞の朝刊一面で連載された「平和の俳句」に選ばれた句など約百句。戦争体験の語り部活動も続ける安井さんの思いがあふれている。

 平和とはいつよ今よと終戦日

 安井さんは二〇一二年、「七十五の手習い」のつもりで作句を始めた。一五年元日付から始まった「平和の俳句」企画に、戦争体験者として大いに共感。三年間の連載中、約二百句を作り、投稿した。一六年九月十五日付には、通勤電車の中で聞いた若者の言葉遣いに想を得た前掲の句が掲載された。今が平和であることを認識してほしいとの思いを込めた句は、選者の阿川佐和子さんから「当世風言い回しを入れつつチクリと世相を斬る。おっしゃる通り!」と評された。

 城燃えし空襲知らぬ五月かな

 安井さんは終戦の年(一九四五年)、国民学校の二年生。五月十四日、西枇杷島町(現清須市)の親類宅に疎開していた際、名古屋大空襲を目撃した。「名古屋が大変なことになっとるぞ」と聞いて走った庄内川の堤防。名古屋方面は一面の煙で何も見えない。一カ所だけ高くなった所に炎が揺れていた。名古屋城だった。「お城が燃えとる」とみんな、泣きだしたという。その五月が今は忘れられがちなことを句に詠んだ。

安井さんの「句集 平和とは いつよ今よ」

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 われ散るは花の如しと願ふ日々

 六一年に県庁に入った安井さんは愛知芸術文化センター、愛知万博などの大きなプロジェクトに携わる一方、教育長として子どもたちにも関わった。自分の戦争体験を次代に伝えたいという気持ちを強め、一四年からは長久手市内の小学六年生を対象に体験を語る授業を毎年続けている。

 授業では、沖縄戦で日本兵のしかばねを踏んで歩く米兵の写真を紹介する。「戦争はこうやって命をないがしろにする。理屈ではなくて、やってはいけないこと」。戦争の犠牲にならず、花が散るように生涯を終えたいと思う。

 そのためにも戦争の悲惨さを語り伝えたいが、自分のような体験者がどんどん減っているのが気掛かり。本紙の「平和の俳句」は一七年末で終わったが、個人で作句を続けたいと言う。

 年新た平和を願ひ句を詠まむ

 句集はA5判、四十ページ。(問)愛知総合看護福祉専門学校=0561(63)7676

 (大森雅弥)

 

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