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コモドドラゴン、本当に東山へ? 市長意欲も課題山積み

コモドオオトカゲ=インドネシアのコモド島で(豊田直也撮影)

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 名古屋市の河村たかし市長が東山動植物園(千種区)への導入に強い意欲を示しているインドネシア固有種のは虫類で、体長が最大三メートルにも達する「コモドオオトカゲ」(通称・コモドドラゴン)。市長は二十七日の定例会見でも「来年中にも導入できる」との見通しを披露したが、実現へ向けたハードルも次々と明らかになってきた。「現代の恐竜」とも呼ばれる希少動物は本当に一年余りで、東山へ来る!?

 「そりゃ、導入について合意したということです」

 定例会見で、河村市長はアジア競技大会関連で出張中の二十日、日本の動物園へ貸与実績のあるジャカルタ郊外のタマンサファリ動物園でヤンセン園長と交渉した成果を報道陣から尋ねられ、こう強調した。

 しかし、「合意」といっても最終的に必要なインドネシア政府の了承を得たわけではない。

コモドドラゴンのぬいぐるみを抱き、導入について話す河村名古屋市長=市役所で

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 河村市長によると、「二〇一九年に雄雌のペアを導入するつもりで進める、ということでいいか」と英語で聞くと、ヤンセン園長は「OK」と回答。さらに「受け入れ予算を準備するがいいか」と聞くと、再び「OK」と答えた。あくまで現地動物園長が協力するという「合意」だ。

 そもそも導入のきっかけは、河村市長が一年ほど前に民間の動物関係者に薦められ「パワーの象徴として、子どもたちの人気者になれる」とほれ込んだから。会見では「(導入に向けた)予算措置は来年度を待たずに検討したい」と話すなど、終始前のめりだ。

 一方、同園側からは複数の課題も提示された。導入への前提条件となるのが、市長と東山動植物園長の連名で正式に貸与を要請する文書の送付だ。受け入れ態勢などを細かく書き込む必要があり、事実上の「書類審査」となる。赤道直下のインドネシアでは日中の気温が三〇度を下ることは少ない。コモドドラゴンは寒さに弱いため、空調が完備された大型の獣舎や、水温調整が可能なプールの新設が望ましいと現地の園側はいう。数億円規模とされる個体のレンタル料に加え、特殊な施設整備にも巨費がかかる見通しだ。

 加えて、ワシントン条約で商取引が規制され保護や繁殖・研究目的でしかインドネシア国外に持ち出せない希少動物。輸出には大統領や大臣の許可を受けなければならず、外交努力も必要になってくる。

 さらに、現地での交渉中にヤンセン園長が何度も強調したのは、両園間の交流の必要性だったという。同席していた東山動植物園の黒辺雅実園長は「(貸与するのは)交流が進んでから、というニュアンスで受け止めた」と、導入の行方には慎重な立場だ。

 ただ、東南アジア有数の規模を誇る同園との連携に「コモドドラゴンが実際に来るかは別として、交流が深まるのは間違いなくプラスになる」と話す。

 (谷悠己)

 

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