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百年続いた看板に幕 大須・「大松」老舗引き継ぎ15年

ランチのミニまぶしを提供する角谷さん=名古屋市中区大須3の大松で

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 名古屋市中区大須三の和食店「大松」が二十八日、閉店する。ウナギの価格が高騰して久しい近年、ランチではひつまぶしを八百五十円の低価格で提供し、客の胃袋を満たしてきた。惜しまれつつ、百年ほど続いた看板を下ろす。

 ウナギとたれの香ばしい香りが漂う店内。厨房(ちゅうぼう)を一人で切り盛りする店主角谷国男さん(74)は「体が痛くて思うように動けない。年には勝てないね」と寂しそうに閉店理由を話す。

 大松は一九〇六(明治三十九)年創業とされる。長く大須に店を構えたが、周辺の開発で十六年前にいったん閉店。翌年に同店の板前だった角谷さんが、創業家から看板を引き継いで再スタートした。

 現在の店では「名古屋名物を誰でも気軽に楽しめるように」と、メニューをウナギ料理に絞った。ランチタイムにはウナギが三切れのった「ミニまぶし」を八百五十円で提供している。

 「ウナギは国産にこだわってきた」という角谷さん。仕入れ値が高騰した近年、ミニまぶしにのせるウナギの量は徐々に減らしたが、値上げは消費税増税時の五十円だけに抑え、低価格は維持してきた。

 人件費を削るため、厨房は角谷さん一人。多い時で、一日に二百人前をさばき、焼き上げた。仕込みからランチ終了まで、十時間は立ちっぱなし、動きっぱなしの仕事。一年ほど前から腕や脚が痛むようになり、治療のため閉店することを決めた。

 「閉店は寂しいが、おいしいものをお値打ちに提供しようと、よく努力してくれた」と、創業家の平松昌高さん(79)。角谷さんは「板前として育ててもらった大須に少しは恩返しできたと思う」と充実感をにじませる。二十八日まで無休。ランチタイムは午前十一時〜午後三時十五分。

 (井本拓志)

 

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