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愛産大三河、初勝利ならず 全国高校野球

◆横浜(南神奈川)7−0愛産大三河(東愛知)

 二十二年ぶりの大舞台で目指した初勝利は、優勝候補の高い壁に阻まれた。第百回全国高校野球選手権記念大会第五日の九日、愛産大三河(東愛知)は0−7で横浜(南神奈川)に完封負け。数回得点圏に走者を進めたが、隙の無い相手投手に生還を阻まれた。最後まで戦い抜いた選手らに、やむことのない声援が送られた。

◆エース「素晴らしい打者ばかりだった」

 エース松原絃介投手(三年)は横浜の強力打線に3本塁打を浴びながらも完投。「自分一人では甲子園のマウンドに立てなかった。みんなへの感謝の気持ちがあったから最後まで投げ切れた」と涙をぬぐった。

 桜井春生監督が「僕の代わりの監督のような存在」と絶大な信頼を寄せる主将。球速は130キロに満たないが、スローカーブやチェンジアップなどを交えた緩急をつけた投球で丁寧にコースを突いた。

 だが、高めに浮いた球はことごとくスタンドに運ばれた。毎回安打を許し、7失点。「いつも通りの投球はできたが、強豪校は甘い球を見逃してくれない。素晴らしい打者ばかりだった」と相手をたたえた。

◆父追い聖地で奮闘 桜井捕手と監督

横浜−愛産大三河 8回表を終えベンチ前でナインを迎える桜井選手(左)と桜井監督=甲子園球場で

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 マスクからのぞく真剣なまなざしが白球を追う。目尻の垂れた桜井仁生捕手(二年)の目は、親である桜井春生監督にそっくりだ。

 桜井選手が幼い頃から二人でキャッチボールをしたり、プロ野球中継を見たりしてきた。二〇一二年、父に連れられ観戦した春の選抜大会で、当時、大阪桐蔭の森友哉選手(西武)が本塁打を放った。スタンドで渦巻く大歓声。「今までやってきた野球と全然違う」。少年は自分も甲子園の舞台に立つことを夢見た。父は今でも、家路をたどる車の助手席で満足そうにしていた息子の顔を覚えている。

 時はたち、桜井選手は高校進学時、約十校から誘いを受ける中、父のいる愛産大三河を選んだ。強肩の努力家は、たちまち正捕手に。グラウンドでは監督と一人の選手として夢を実現させた。

 しかし、全国の壁は高かった。甘い球を見逃さない相手打線。序盤からの猛攻に圧倒された。桜井監督が「粘り強く、なんとか辛抱しろ」と指示を飛ばし、直球中心の配球に切り替えたが、攻撃の勢いを止められなかった。「地方大会とは全然違った」−選手として訪れた舞台で、またも力の差を思い知らされた。

 まだ二年生。噴き出す汗も拭わず「気持ちの面を鍛え直して甲子園に戻ってきたい。一から見直し、今日からしっかり頑張る」と語る息子に、桜井監督は「来年も来られるように頑張れよ」。再び聖地で戦うための親子の物語が始まった。

 (高橋雪花)

 

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