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瀬戸産ハチミツ、隠れた逸品 口コミでファン増

店に並んだハチミツを紹介する水谷さん=瀬戸市紺屋田町で

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 陶器で有名な瀬戸市に、隠れた名産品がある。それはハチミツ。豊かな雑木林を背景に市内の養蜂家たちが生産を続け、口コミで地道にファンを増やしてきた。最近では若手農家も参入。国産ハチミツの人気も手伝って収益の柱になりつつあるという。

 「宣伝も何もしてないけれど、お客さんが付いてくれている。最近は国産ハチミツが少なくなって『幻』に近くなってきた」

 こう語るのは、同市紺屋田町の山あいで「水谷養蜂」を営む水谷勝さん(74)。三十代からミツバチを飼い始め、難しいとされる越冬のこつもつかんだ。二〇〇四年に専業養蜂家として店を開き、現在は百八十箱の巣箱を飼育している。

 農林水産省によると、国産ハチミツは国内流通量の約7%と希少。水谷さんも「需要が供給を上回っている。問屋が『売ってくれ』とやって来るが、自分の店で売りたいので断っている状況」と説明する。

 店には、上品な味のアカシア、風味豊かな百花など自身で採蜜した五種のほか、他の養蜂家から仕入れた「ソバ」など国産の二十種近くが並ぶ。採ったハチミツは、一年でほぼ全量を売り切るという。

 市内では、みつ源となるソヨゴやクロガネモチが自生する雑木林が豊か。水谷さんは「私が子どものころから、近所で蜂を飼っている人がいた」といい、養蜂は市内で綿々と受け継がれてきたようだ。

 現在は業者と個人を合わせ、市内で十数軒が養蜂に携わっている。最近は野菜栽培の傍ら養蜂を始める若手も出てきた。

巣箱の世話をする森田さん=同市東松山町で

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 同市東松山町で農園を運営する森田高用さん(35)は、ミツバチの飼育を始めて四年目。今年は六箱の巣箱を設置した。スズメバチの襲来や寒さで、これまで越冬には失敗している。「今年こそは」と意気込む。

 五〜七月に採蜜し、昨年は九十リットルほどが採れた。体験農園にやってくる人や知人に六百グラム三千五百円で販売し、売れ行きは上々。「今では農園の収益の柱。豊田市内の飲食店からも引き合いがある」という。

 近くでは、名古屋市の東山動植物園に巣箱を設置している一般社団法人「ハニーファーム」が「東山ハニー」のブランドで成功を収めている。森田さんも「瀬戸のハチミツも付加価値を付けて、もっとたくさんの人に知ってもらいたい」と願っている。

 (森若奈)

 

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