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新城でハチク開花 「120年に一度」の現象

花が咲き終わり、立ち枯れたハチクの竹やぶ=新城市作手保永で

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 竹の一種の淡竹(ハチク)の開花が、新城市作手(つくで)地区で相次いでいる。花を咲かせた竹は立ち枯れてしまい、赤茶けた竹やぶがあちこちで目に入る。約百二十年に一度の現象といわれ、「全国的な一斉開花の前触れではないか」と予想する専門家もいる。

 開花が見られるのは、巴川と並行して走る県道435号(作手保永(やすなが)海老線)沿いのエリア。「この辺りの竹はほとんどがハチク。昨年から花が咲き始め、今年は一気に広がった」と、同市作手保永の林業家西郷光男さん(82)は話す。

 同市作手高松の笹野夏子さん(80)方では、田んぼの土手に沿って五十メートルほど続く竹やぶがほとんど枯れた。「おいしいタケノコが採れただけどねえ」。荒涼とした風景を眺めながら、笹野さんはため息をついた。

 作手地区に隣接する設楽町など奥三河山間部では、二〇一六年から一七年にかけてササの一種、スズタケが一斉開花した。現地調査に当たった森林総合研究所東北支所(盛岡市)の斎藤智之さん(45)によると、過去の記録などから、スズタケもハチクも開花周期は約百二十年だという。

 スズタケの開花期間は三年程度と短い。一方、ハチクの場合、前回の開花は十九世紀末から二十世紀初めにかけて二十年ほど続いた。「現在は『前咲き』の段階でしょう。全国的には、これからピークの『本咲き』を迎えるのでは」と斎藤さんは推測する。

ハチクの花。開花は約120年に一度といわれる=新城市作手保永で

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 竹の生態に詳しい富士竹類植物園(静岡県長泉町)の元研究主任、柏木治次さん(65)は、全国のハチクの開花状況を調べている。〇六年、静岡県富士宮市内で最初に開花を確認し、現在は関東から四国、九州にまで広がった。愛知県内では一五年と一六年に知多半島の三カ所で見つけた。

 竹は開花後、実を付けて一生を終える。しかしハチクは特殊だ。「ほとんど実を付けず、実生での竹林復活はあり得ません。生き残った地下茎から伸びる『再生竹』だけが頼りです」(柏木さん)。竹やぶが元の姿に戻るまでには、十年前後の長い時間を要するという。

 (鈴木泰彦)

 <ハチク> 原産地は中国。日本ではモウソウチク、マダケに次いで多く見られる。直径は3〜10センチ。幹に付着した白い粉が特徴。タケノコにはえぐみがなく、あく抜きなしで食べられる。細かく割れるため茶道具の茶せんなどに利用される。戦国時代には竹やりとして用いるため、山城の周囲に植えられたという。

 

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