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五万石ふじとむらさき麦で地ビール 岡崎で12日販売

むらさき麦(右)と五万石ふじで作った地ビールを注ぐモーリーさん=県庁で

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 岡崎市の地域ブランドのフジの花「五万石ふじ」と大麦「むらさき麦」を掛け合わせた地ビール「むらさき麦酒(ばくしゅ)」を、あいち産業科学技術総合センター(豊田市)と醸造業者らが共同開発した。二百本を製造し、十二日に道の駅藤川宿(岡崎市藤川町)周辺で開かれる「むらさき麦まつり」会場でのみ、限定販売する。

 五万石ふじは岡崎城内に植生する市の天然記念物で、古い株は樹齢百二十年を超える。むらさき麦は東海道五十三次の一つ、藤川宿の特産で、松尾芭蕉の句にも詠まれた。戦後に一度は消滅したが、二十年ほど前に市民団体「藤川まちづくり協議会」が復活させた。この二つの地域資源が、ある偶然で結び付いた。

 センターはこれまで、五条川の桜(大口町)や祖父江のイチョウ(稲沢市)など県内の名花から分離した花酵母を酒造会社に提供し、ブランド清酒造りに取り組んできた。二〇一五年に五万石ふじから得た酵母のうち一種は、清酒よりもビールなどの発泡醸造に適した特性を持っていた。

 「岡崎の地域色にあふれた地ビールを造れないか」と考えたセンターが目を付けたのが、米国出身のクレイグ・モーリーさん(48)が岡崎市で経営する醸造会社「プログレッシブ・パートナーシップス」。藤川まちづくり協議会と交流があったモーリーさんは翌年、むらさき麦の麦芽開発に成功し、センターとともに地ビール造りに乗り出した。

 五万石ふじの酵母は、日本で広く流通している淡麗辛口のラガービールより、フルーティーな香りとコクを持つエールビールに適していた。爽やかさを生かすため、アルコール度数を3・7%に抑えたむらさき麦酒は今年四月に完成。地元岡崎市の愛知産業大造形学部の学生がデザインしたラベル付きの小瓶(三百三十ミリリットル)に詰め、まつり会場で一本千円で販売する。

 センターの山本晃司・発酵バイオ技術室長は「歴史ある花の酵母からできた初めてのビール。豊かな味わいが楽しめる」と話す。

 (谷悠己)

 

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